こころ‐すご・し【心凄し】
[形ク]人けがなくもの寂しい。いかにも気味が悪く恐ろしい。「いと里離れ—・くて、海人(あま)の家だにまれに」〈源・須磨〉
こころ‐さびし・い【心寂しい/心淋しい】
[形][文]こころさび・し[シク]なんとはなしにさびしく思う。こころさみしい。「お勢が帰塾した当座両三日は、…何となく—・かったが」〈二葉亭・浮雲〉
こころ‐ざわり【心障り】
気に障ること。気がかり。「前後に—なくて胸安からん」〈一葉・やみ夜〉
こころ‐ぐま【心隈】
心にわだかまりがあること。「保子は信吾の—に気づかなくて」〈康成・山の音〉
こころ‐ぐるし・い【心苦しい】
[形][文]こころぐる・し[シク] 1 心に痛みを感じるさま。つらく切ない。「彼の苦労を思うと私も—・い」 2 申し訳なく思うさま。気がとがめる。「こんなに親切にしていただいては—・い」 3 他...
こころ‐ぐ・し【心ぐし】
[形ク]心が晴れずうっとうしい。せつなく苦しい。「—・く思ほゆるかも春霞たなびく時に言の通へば」〈万・七八九〉
こころ‐から【心から】
[副]本当の気持ちで言動がなされるさま。心の底から。心底(しんそこ)から。心より。「—恋い慕う」「—喜ぶ」 [連語]他からの強制ではなく、自分の意志で。自分から求めて。「現世、後生、—徒(い...
こころ‐がわり【心変(わ)り】
[名](スル) 1 心が他に移ること。変心。「男の—したのを責める」 2 心が正常の状態でなくなること。乱心。「心ひとつに覚(おぼ)し嘆くに、いとど御—もまさりゆく」〈源・葵〉 [補説]書名別項...
こころ‐ぎも【心肝/心胆】
1 心の中。「いとど—もつぶれぬ」〈源・浮舟〉 2 思慮。考え。才覚。「—なく、相思ひ奉らざりしものを強ひて使ひ給ひて」〈落窪・二〉
こころ‐ぎれ【心切れ】
連歌・俳諧で、句中に切れ字が用いられていなくても、意味の上から句切れになること。また、その句。