もの‐の‐きこえ【物の聞こえ】
世間の評判。世のうわさ。「—に憚りて常陸に下りしをぞ」〈源・関屋〉
もの‐の‐ぐ【物の具】
1 道具。調度品。「—をだにとらず、深くかくれにけり」〈宇治拾遺・九〉 2 武具。兵具。特に鎧(よろい)をいう。また、武者がそれを身につけること。「我とおもはん者共は皆—して馳せ参れ」〈平家・二...
もの‐の‐け【物の怪/物の気】
人にとりついて祟(たた)りをする死霊・生き霊・妖怪の類。
もの‐の‐こえ【物の声】
鳥獣の声や楽器などの音色。「今めきたる—なれば」〈源・帚木〉
もの‐の‐こころ【物の心】
1 物事の道理。「予—を知れりしより、四十(よそぢ)あまりの春秋をおくれるあひだに」〈方丈記〉 2 物事の情趣。「少し—しるは涙落としけり」〈源・紅葉賀〉
もの‐の‐さとし【物の諭し】
神仏のお告げ。また、前兆としての怪異・天変地異。「おほやけに—しきりてもの騒がしきこと多かり」〈源・明石〉
もの‐の‐し【物の師】
学問・芸能などを専門として教える人。特に、歌舞音曲の師。「都の—といふ限りは迎へとりつつ」〈宇津保・吹上上〉
もの‐の‐じょうず【物の上手】
芸能の名人。芸道の達人。「況や守(かみ)、本より—にて」〈今昔・二八・四〉
もの‐の‐ついで【物の序で】
何かをするおり。何かの物事のついで。「—に調べてみる」
もの‐の‐な【物の名】
1 物事の名称。ぶつめい。 2 和歌・連歌・俳諧で、ある事物の名称を、意味に関係なく詠み込むもの。「あしひきの山たちはなれゆく雲の宿り定めぬ世にこそありけれ」に「たちばな」を詠み込んだ類。隠し題...