ななし‐ゆび【名無し指】
くすりゆび。無名指(むめいし)。
名(な)に負(お)・う
名に、その実体を伴う。また、その名とともに評判される。「—・う親知らず子知らずの難所」「大伴の氏と—・へる大夫(ますらを)の伴」〈万・四四六五〉
名(な)に聞(き)・く
うわさに聞く。音に聞く。「まことにて—・くところ羽根ならば飛ぶがごとくに都へもがな」〈土佐〉
名(な)にし負(お)・う
《「し」は強意の副助詞》「名に負う」に同じ。「—・う富士の高嶺」「—・はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと」〈伊勢・九〉
名(な)に背(そむ)・く
実体が名と一致しない。名声に反する。「日本アルプスの—・かない大景観」
名(な)に立(た)・つ
評判になる。「—・ちて伏見の里といふことはもみぢを床に敷けばなりけり」〈後撰・雑四〉
名(な)に流(なが)・る
名が世に広まる。名高くなる。「うつろはぬ—・れたる川竹のいづれの世にか秋を知るべき」〈後撰・雑四〉
名(な)に旧(ふ)・る
古くからその名が知られている。「ここぞ—・る鈴の森最期場」〈浄・八百屋お七〉
な‐ぬし【名主】
1 ⇒みょうしゅ(名主) 2 江戸時代、地方(じかた)三役の一。領主の下で村政を担当した村の長。主として関東での呼称で、関西では庄屋、東北では肝煎(きもいり)と称した。 3 江戸時代、町役人の一...
なぬしのすえ【名主の裔】
杉本章子の中編時代小説。「江戸名所図会」を著した斎藤家の9代目、斎藤月岑の目を通し、江戸から東京への時代の移り変わりを描く。同作を表題作とする小説集は昭和60年(1985)刊行。