ゆき‐う・す【行き失す】
[動サ下二]行方がわからなくなる。「我いづちも—・せなむ」〈百座法談〉
ゆき‐かえ・る【行き帰る/往き還る】
[動ラ四]《古くは「ゆきがえる」とも》 1 行って、また帰る。往復する。「清き浜辺は—・り見れども飽かず」〈万・一〇六五〉 2 月日が再びめぐる。また、年が改まる。「あらたまの年—・り春立たばま...
ゆく‐かた【行く方】
1 行く先。ゆくえ。「我も—あれど」〈源・末摘花〉 2 心を晴らす方法。やるかた。多く打消しの語を伴って用いる。「夏草のうへは繁れる沼水の—のなきわが心かな」〈古今・物名〉
ゆく‐さ【行くさ】
行く時。行きがけ。「—には二人我が見しこの崎をひとり過ぐれば心悲しも」〈万・四五〇〉
ゆく‐ひと【行く人】
道を行く人。旅人。「門を出れば我も—秋の暮」〈蕪村句集〉
ゆす・う【結ふ】
[動ハ四]「結(むす)ぶ」の上代東国方言。「家(いは)の妹(いも)ろ我(わ)を偲ふらし真結(まゆす)ひに—・ひし紐(ひも)の解くらく思(も)へば」〈万・四四二七〉
ゆた【寛】
[形動ナリ]ゆったりと心が落ち着いているさま。「海原の路に乗りてや我(あ)が恋ひ居らむ大舟の—にあるらむ人の児(こ)故に」〈万・二三六七〉
寛(ゆた)にたゆたに
ゆらゆらと漂い動くさま。ゆたのたゆたに。「我(あ)が心—浮き蓴(ぬなは)辺(へ)にも沖にも寄りかつましじ」〈万・一三五二〉
寛(ゆた)のたゆたに
「ゆたにたゆたに」に同じ。「いで我を人なとがめそ大舟の—物思ふ頃ぞ」〈古今・恋一〉
ゆり【後】
後刻。後日。「我妹子(わぎもこ)が家の垣内(かきつ)のさ百合花—と言へるは否と言ふに似る」〈万・一五〇三〉