あさか‐やま【安積山/浅香山】
福島県郡山市日和田にある山。葛城王(かずらきのおおきみ)と采女(うねめ)との伝説で知られる。同市片平の額取(ひたとり)山とする説もある。[歌枕]「—影さへ見ゆる山の井の浅き心を吾が思はなくに」〈...
あさがお‐の【朝顔の】
[枕]朝顔の花は「穂(ほ)に咲き出(い)づ(=目立つように咲き出る)」意から、「穂」にかかる。「—穂には咲き出(で)ぬ恋もするかも」〈万・二二七五〉
あさ‐がすみ【朝霞】
[名]朝に立つ霞。《季 春》「茶を呑めと鳴子引なり—/一茶」
[枕] 1 八重に立ちこめ物がはっきり見えない意、また霞の立つ春の意から「八重」「ほのか」「春日(はるひ)」にかかる。「—ほのか...
あさぎり‐の【朝霧の】
[枕] 1 朝霧の中でぼんやりとしか見えない意から「おほに」「乱る」「思ひまどふ」にかかる。「—おほに相見し人ゆゑに」〈万・五九九〉 2 朝霧が八重に立つ意から「やへ」「立つ」にかかる。「—八重...
あさくら‐やま【朝倉山】
福岡県朝倉市、鳥屋山の南にある山々。[歌枕]「昔見し人をぞわれはよそに見し—の雲井はるかに」〈夫木・二〇〉
あさざわ‐おの【浅沢小野】
大阪市住吉区にあった低湿地。カキツバタの名所。浅沢沼。[歌枕]「住吉(すみのえ)の—のかきつはた衣に摺り付け着む日知らずも」〈万・一三六一〉
あさしも‐の【朝霜の】
[枕]日光に消えやすいところから「消(け)」「消え」にかかる。「—消(け)なば消ぬべく思ひつつ」〈万・二四五八〉
あさじう‐の【浅茅生の】
[枕]浅茅の生えている野の意から「小野(をの)」にかかる。「—小野の篠原(しのはら)忍ぶれど余りてなどか人の恋しき」〈後撰・恋一〉
あさじ‐が‐はら【浅茅ヶ原】
奈良市奈良公園にある丘。[歌枕]「春日野の—におくれ居て時そとも無しわが恋ふらくは」〈万・三一九六〉
江戸時代、東京都台東区橋場付近にあった野原。
あさじ‐はら【浅茅原】
[名]「あさじがはら」に同じ。「—かり標(しめ)さして」〈万・二七五五〉
[枕] 1 「小野(をの)」「茅生(ちふ)」にかかる。「—小野に標結ひ」〈万・二四六六〉 「—茅生に足蹈(ふ)み」〈...