こと‐とき【異時】
別の時。ほかの時。「—は知らず、今宵は詠め」〈枕・九九〉
こと‐どころ【異所】
1 ほかの所。別の場所。「ただ海の面を見渡したる程なむ、あやしく—に似ず、ゆほびかなる所に侍る」〈源・若紫〉 2 異国。外国。「—のものなれど、鸚鵡(あうむ)いとあはれなり」〈枕・四一〉
こと‐な・る【異なる】
[動ラ五(四)]《形容動詞「異なり」の動詞化》違いがある。別である。「兄弟でも性格は—・る」「習慣が—・る」 →違う[用法]
異(こと)に◦する
1 別にする。ちがえる。「趣を—◦する」「考えを—◦する」 2 際立って特別である。「幼時から才を—◦した秀才」
こと‐はな【異花】
ほかの花。別の花。「菊もなほ咲き出でぬれば—はそれにあらじをにほひけるかな」〈古今六帖・六〉
こと‐はら【異腹】
父が同じで母が違う子供たちの関係。はらちがい。いふく。「—の兄人(せうと)も京にて法師にてあり」〈かげろふ・下〉
こと‐はらから【異同胞】
1 父あるいは母を異にした兄弟姉妹。「母北の方、—たち、ただここになむ来かかる」〈落窪・四〉 2 ほかの兄弟姉妹。「—どもよりは、かたちも清げなるを」〈源・夢浮橋〉
こと‐ひと【異人】
別の人。ほかの人。「和歌(やまとうた)、あるじも客人(まらうど)も—も言ひあへりけり」〈土佐〉
こと‐もの【異物/異者】
別の物。ほかの物。また、別の人。「あはれなる手など弾き給へるに、—の声どもは止(や)めて」〈源・須磨〉
こと‐よう【異様】
[名・形動ナリ]普通と違っていること。また、そのさま。風変わり。「風俗の—なるは」〈逍遥・当世書生気質〉 「これがままに仕うまつらば、—にこそあべけれ」〈枕・一〇三〉