ま‐かごや【真鹿児矢】
古代の矢の名。一説に狩猟用の矢で、シカ・イノシシなどを射るのに用いたという。「はじ弓を手握(たにぎ)り持たし—を手挟(たばさ)み添へて」〈万・四四六五〉
ま‐かごゆみ【真鹿児弓】
古代の弓の名。「真鹿児矢(まかごや)」を射るのに用いたという。「天の—、天のはは矢を天の若日子に賜ひて」〈記・上〉
ま‐かじ【真楫】
左右にそろった艪(ろ)。一説に、艪の美称。「桜皮(かには)巻き作れる舟に—貫き」〈万・九四二〉
ま‐かじき【真梶木/真旗魚】
スズキ目マカジキ科の海水魚。全長約3メートル。体は側扁し、黒紫青色の地に青色の横帯が十数本走る。太平洋の温帯から亜熱帯にかけて分布。刺身などにする。かじき。
真楫(まかじ)繁貫(しじぬ)・く
船に左右そろった櫂(かい)をたくさん取り付ける。「大船に—・き海原を漕ぎ出て渡る月人をとこ」〈万・三六一一〉
ま‐かな【真鉋】
鉋(かんな)の美称。
ま‐かな・し【真愛し/真悲し】
[形シク]たいへんいとしい。いじらしい。「うちひさす宮に行く児(こ)を—・しみ留むれば苦しやればすべなし」〈万・五三二〉
まかな‐もち【真鉋持ち】
[枕]鉋(かんな)で弓を削る意から、地名の「弓削(ゆげ)」にかかる。「—弓削の川原の埋れ木の顕はるましじきことにあらなくに」〈万・一三八五〉
ま‐かみ【真神】
《「まがみ」とも》オオカミの古名。万葉集に「大口の真神の原」(一六三六・三二六八)とあり、地名の「真神原」に「大口の」が掛かっているところから推定される語。オオカミを畏怖して神と呼んだもの。
まかみ‐の‐はら【真神原】
奈良県高市郡明日香村の飛鳥(あすか)寺付近一帯の古称。