むし‐えらび【虫選び】
嵯峨野などへ行き、虫合わせのための虫をとって宮中へ奉ったこと。
むし‐おくり【虫送り】
農作物、特に稲の害虫を追い払う呪術(じゅじゅつ)行事。たいまつをともしたり、実盛(さねもり)とよぶわら人形を担いだりして、鉦(かね)・太鼓をたたいてはやし、村境まで送って行く。稲虫送り。実盛送り...
むし‐おさえ【虫押(さ)え】
1 子供の虫気(むしけ)の予防や治療をすること。また、その薬。 2 空腹の一時しのぎに少し物を食べること。また、そのもの。
むし‐かがり【虫篝】
夏、田畑の害虫を誘い寄せて焼き殺すためのかがり火。《季 夏》「虫焦げし火花美し—/虚子」
むし‐かご【虫籠】
スズムシやホタルなどの虫を飼っておく小さなかご。むしこ。《季 秋》「—に酒吹きたかり誕生日/桂郎」
虫(むし)が齧(かぶ)・る
腹痛が起こる。また、産気づいて陣痛が起こる。「枕も上がらぬほど虫でもかぶるか」〈浄・川中島〉
虫(むし)が嫌(きら)・う
「虫が好かない」に同じ。「東京へ出すのは、何故か—・うかして」〈鏡花・婦系図〉
虫(むし)が付(つ)・く
1 衣類・書画などに害虫がつく。 2 未婚の女性に愛人ができる。「大事な娘に—・く」
むし‐がれい【虫鰈】
カレイ科の海水魚。沿岸の砂泥底にすむ。全長約40センチ。体は卵円形。有眼側は暗褐色で、黒褐色の輪状紋が虫食い状に散在。干物などにする。みずがれい。
むし‐きき【虫聞き】
秋の夜、野山に出て松虫などの鳴き声を楽しむこと。平安時代に始まるという。《季 秋》