は‐ちょう【巴調】
《巴人のうたう歌の卑しい調子の意。巴州は今日の中国四川(しせん)》俗歌。俗曲。また、自作の詩文を謙遜(けんそん)していう語。
は‐ちょう【破調】
短歌・俳句などの定型詩で、音数に多少が生じること。字余り・字足らずなど。
はっ‐く【発句】
1 漢詩で、絶句の第1句、律詩の第1・2句。起句。 2 和歌の第1句、または第1・2句。 3 ⇒ほっく(発句)
はっと‐の‐さい【八斗の才】
《「南史」謝霊運伝から》詩文にすぐれた才能。宋の詩人謝霊運が魏(ぎ)の曹植の才をほめて、天下の詩の才の全体を1石とすると、8斗は曹植、1斗は自分、残りの1斗を他の詩人が受け持っていると言ったとい...
はつこい【初恋】
1 嵯峨の屋お室の短編小説。明治22年(1889)、文芸誌「都の花」に発表。明治24年(1891)刊行の作品集「新編千草」に収録。ツルゲーネフによる同名の短編小説の影響がみられる。 2 島崎藤村...
はつ‐じん【発軔】
1 歯止めを取り除いて車を動かすこと。旅立つこと。「あるじに明朝の—を告げたり」〈鴎外訳・即興詩人〉 2 物事を始めること。
はなち【放ち】
放つこと。また、放たれたもの。「蒼生とは、民のもとどり—にしている髪のあをいを云ふぞ」〈中華若木詩抄・中〉
花(はな)の命(いのち)は短(みじか)くて苦(くる)しきことのみ多(おお)かりき
林芙美子が色紙などに好んで書いた短詩。女性を花にたとえ、楽しい若い時代は短く、苦しいときが多かったみずからの半生をうたったもの。
はなのノートルダム【花のノートルダム】
《原題、(フランス)Notre-Dame-des-Fleurs》ジュネによる小説。女装の男娼を主人公とする詩的散文小説。服役中の1944年に書かれ、秘密出版。これをコクトーが絶賛し、サルトルらと...
鼻笛(はなぶえ)を吹(ふ)・く
1 口を閉じ、声を鼻に抜いて歌う。「—・いて吟ずることか」〈中華若木詩抄・上〉 2 得意になる。「諸人勇みて—・きけるに」〈浮・胸算用・三〉