言(い)えば更(さら)なり
わざわざ新たに言う必要もないほどだ。もちろんである。言うも更なり。「目もあやに飾りたる装束有様—」〈源・若菜下〉
言(い)えば世(よ)の常(つね)
「言うも世の常」に同じ。
言(い)わないことではな・い
そうなると、あらかじめ言っておいたのに、それ見たことか。自分の助言を無視してしくじった人を非難していう言葉。言わんこっちゃない。
言(い)わぬが花(はな)
口に出して言わないほうが味わいもあり、差し障りもなくてよい。「これから先は—だ」
言(い)わぬは言(い)うに優(まさ)る
黙っているほうが、口に出して言うよりもかえって切実な思いをよく表す。
いわ‐れ【謂れ】
《動詞「い(言)う」の未然形+受身の助動詞「る」の連用形から》 1 物事が起こったわけ。理由。「—のないうわさ」「無視される—はない」 2 由緒。来歴。「—のある土地」「家宝の—」
いわれ‐いんねん【謂れ因縁】
いわれと因縁。「いわれ2」を強めた言い方。「石碑の—を探る」
いわれ‐な・い【謂れ無い】
[形][文]いはれな・し[ク]正当な理由・根拠がないさま。不当である。いわれのない。「—・い疑いをかけられる」
言(い)わんこっちゃな・い
《「こっちゃ」は「ことでは」の音変化》「言わないことではない」に同じ。
言(い)わんばかり
口にこそ出さないが、ようすや表情からはっきりそれとわかる。言わぬばかり。「誘ってくれと—のそぶり」