いん‐ず【韻図】
漢字をその字音によって分類整理し図表化したもの。悉曇(しったん)学などの影響を受けて、唐末から作られるようになった。→韻鏡
いん‐ち【韻致】
風雅な趣。風韻。風致。「ことに樒(しきみ)の花は…、—の高い花である」〈藤村・新生〉
いん‐ふたぎ【韻塞ぎ】
漢詩の中の韻字を隠しておいて、当てさせる文字遊び。平安時代に流行。
いん‐ぶん【韻文】
一定の韻律をもち、形式の整った文章。漢文では句末に韻字を置いた詩・賦などをいい、和文では和歌・俳句などをいう。狭義には詩と同義に用いられる。⇔散文。
いんぶん‐げき【韻文劇】
韻文で書かれた劇。
いん‐ぼ【韻母】
中国の音韻学で、1音節における最初の子音を除いた残りの部分をいう。例えば、[ɡuan](「官」の中国語音)の[uan]など。介音・主母音・韻尾からなる。→声母(せいぼ)
いん‐りつ【韻律】
韻文における音声上の形式。音声の長短、アクセント、子音・母音の一定の配列のしかたなどで表す音楽的な調子。また、俳句・和歌など、音数によって表すものをもいう。リズム。
韻(いん)を押(お)・す
⇒韻を踏む
韻(いん)を探(さぐ)・る
多人数が集まって詩を作るとき、各人が韻字本を無心に開き、そこに出た韻字をその人の詩の韻とする。探韻(たんいん)する。「貴ぶ所これ賢才といふ題にして—・らるることあり」〈神皇正統記・村上〉
韻(いん)を踏(ふ)・む
同韻の字を詩句の特定の場所に用いる。韻を押す。→韻