あい‐ぎょう【愛敬】
《仏語の「愛敬相」から。室町以降「あいきょう」とも》 1 親愛と尊敬の念をもつこと。人から愛され敬われること。あいけい。「この女子(にょし)に、—、富を得しめ給へ」〈今昔・一六・八〉 2 顔つき...
むかし‐の‐よ【昔の世】
1 過去の世。往昔。「おぼろげの—のあたならぬ人は」〈源・若菜上〉 2 生まれる以前の世。前世。「—ゆかしげなり」〈源・紅葉賀〉
け‐ぢか・し【気近し】
[形ク] 1 近い。身近である。「—・く臥せ給へるを」〈源・紅梅〉 2 親しい。親しみやすい。「ただ、宮のさまぞ、—・うをかしげなる」〈枕・二七八〉
くび‐づな【首綱/頸綱】
1 犬や猫の首につける綱。くびなわ。「いとをかしげなる猫の、赤き—に白き札つきて」〈枕・八九〉 2 罪人の首に掛けて縛る綱。くびなわ。「ことに母もない倅(せがれ)。隠居の田地を売っても—はつけさ...
こと‐いみ【言忌み】
不吉な言葉を使うのを避けること。「—もえしあへず、もの嘆かしげなるさまの」〈源・浮舟〉
から‐ねこ【唐猫】
中国から渡来した猫。舶来の猫。また、単に猫。「—の、いと小さく、をかしげなるを」〈源・若菜上〉
きたなげ‐な・し【汚げ無し/穢げ無し】
[形ク]きたならしい感じがしない。見苦しくない。「—・き女、いとをかしげなる児を抱きて」〈大和・一六九〉
おんな‐え【女絵】
1 平安時代、男絵(おとこえ)に対して使われた語。情趣に富んだ濃彩の絵をいうとするが、その内容ははっきりしない。一説には、墨がきの絵といい、素人絵のことともいう。「をかしげなる—どもの、恋する男...
さぶらい‐わらわ【侍童】
貴人のそばに仕えて雑務をする少年。さむらいわらわ。「をかしげなる—の姿好ましう」〈源・夕顔〉
うちとけ‐がお【打ち解け顔】
気を許した顔つき。くつろいだ顔つき。「小さきは童(わらは)げて喜び走るに、扇なども落として、—をかしげなり」〈源・朝顔〉