しし【肉/宍】
1 人のからだの肉。「身(せい)は短(ひく)き方にて、—肥満(こえ)たり」〈柳浪・黒蜥蜴〉 2 猪(いのしし)・鹿(しか)などの食用肉。「猪(ゐ)の—、鹿(か)の—はしらず」〈平家・一一〉
しし‐あい【肉合ひ】
からだの肉のつきぐあい。ししおき。「むっちりと抱き心地よい甘(むま)さうな—」〈浄・会稽山〉
ししあい‐とぎだし【肉合(い)研(ぎ)出し】
蒔絵(まきえ)の技法の一。高蒔絵と研ぎ出し蒔絵とを併用して傾斜をつける手法。山裾や雲などの表現に用いる。肉合い研ぎ出し蒔絵。
ししあい‐ぼり【肉合(い)彫(り)】
彫金の技法の一。文様の輪郭を線刻し、その線の内側に沿って浅く彫り下げ、薄肉彫りふうにする。杉浦乗意の創始とされる。
しし‐おき【肉置き】
からだの肉のつきぐあい。「肩や臀のむっちりとした—は」〈谷崎・蓼喰ふ虫〉
肉(しし)が付(つ)・く
肥えふとる。「腹に—・く」
しし‐くしろ【肉串ろ】
[枕]「熟睡(うまい)」「黄泉(よみ)」にかかる。「—黄泉に待たむと隠(こも)り沼(ぬ)の下延(したは)へ置きて」〈万・一八〇九〉 [補説]かかり方未詳。肉(しし)を串に刺したものは味がよい、う...
しし‐つき【肉付き】
にくづき。ししおき。「—の豊な、ふっくりとした膚(はだえ)」〈鏡花・高野聖〉
しし‐びしお【肉醤/醢】
1 魚や鳥の肉で作ったひしお。また、干し肉を刻み、麹(こうじ)と塩に漬け込んだもの。 2 古代中国で行われた極刑。処刑後の死体を塩漬けにするもの。
しし‐むら【肉叢】
肉のかたまり。肉塊。また、肉体。「血をすすり—を尽すとも」〈一葉・別れ霜〉