あり‐くい【蟻食/食蟻獣】
貧歯目アリクイ科の哺乳類の総称。体長20〜120センチ。口先が長く、歯は退化し、細長い舌でアリを捕食。前肢に4本、後肢に5本ある爪は長く鋭い。オオアリクイ・コアリクイ・ヒメアリクイの3属4種が中...
うか【食】
《「うけ(食)」の音変化。複合語として用いる》食物、特に稲のこと。「—の御魂(みたま)」「—の女(め)」
うけ【食】
食物。「—もちの神」
おし‐もの【食し物】
召し上がり物。「皇太子視(み)て—を与へ給ふ」〈推古紀〉
お・す【食す】
[動サ四] 1 「治める」の尊敬語。統治なさる。しろしめす。「大君の命(みこと)かしこみ—・す国の事取り持ちて」〈万・四〇〇八〉 2 「食う」「飲む」の尊敬語。召し上がる。「献(まつ)り来し御酒...
くい【食い】
今日は魚の食いがいい[悪い]The fish 「are really biting [won't bite] today.
くいあう【食い合う】
I〔争って物を食う〕ハイエナが獲物を食い合っていたThe hyenas were fighting over their prey.II1〔歯車などがかみ合う〕2つの歯車はがっちりと食い合ったT...
くいあげ【食い上げ】
タクシーの運転手が免許証を取り上げられたら飯の食い上げだIf a taxi driver loses his license, it costs him his living.
くいあらす【食い荒らす】
I〔乱暴に食べる〕子供たちはテーブルの上のケーキを食い荒らしたThe children 「wolfed down [devoured] the cake on the table.白蟻が家の土台...
くいあわせ【食い合わせ】
I〔2種類以上の食べ物の〕すいかとてんぷらは食い合わせが悪いWatermelon and tempura eaten together will disagree with you.食い合わせが...
くいいじ【食い意地】
[共通する意味] ★食物を食べたいという気持ち。[英] appetite (for food)[使い方]〔食欲〕▽いつでも食欲だけは旺盛(おうせい)だ▽食欲を満たす〔食い気〕▽色気より食い気〔食...
くいけ【食い気】
[共通する意味] ★食物を食べたいという気持ち。[英] appetite (for food)[使い方]〔食欲〕▽いつでも食欲だけは旺盛(おうせい)だ▽食欲を満たす〔食い気〕▽色気より食い気〔食...
くいすぎ【食い過ぎ】
[共通する意味] ★度を越して物を食べること。[英] overeating[使い方]〔食い過ぎ〕▽食い過ぎで腹をこわす〔食べ過ぎ〕▽甘いものの食べ過ぎは体によくない〔過食〕スル▽肥満は過食と運動...
くいちがい【食い違い】
[共通する意味] ★物事がうまく一致しないこと。[英] divergence[使い方]〔ずれ〕▽戦中派と戦後生まれの意識のずれ▽二つの語は意味にずれがある▽画面にずれが生じる〔食い違い〕▽二人の...
くいつく【食いつく】
[共通する意味] ★歯で何かをかみとろうとする。また、かんだまま離さないでいる。[英] to have a bite (at)[使い方]〔食いつく〕(カ五)〔食らいつく〕(カ五)〔噛みつく〕(カ...
食道のはたらき・食道の構造
食道は、のどと胃をつなぐ細長い管状の器官です。胃や腸などと同じ消化器官の一つですが、消化の機能はなく、食べ物を胃へと運ぶための輸送路として働いています。 食道の長さは成人で25㎝~30㎝ほどあり、長径約2㎝、短径約1㎝の楕円形をしています。ふだん食道は前後につぶれて閉じており、食べ物が通るときにだけ、大きく広がります。 食べ物は、液体で1秒~10秒、固形物で30秒~60秒ほどで、食道を通過していきます。 食道は3つのセクションに分けられます。のどから鎖骨の辺りまでが「頸部食道」。「胸部食道」は最も長く、大動脈、気管支、心臓など重要な器官と隣り合っています。そして、横隔膜から食道・胃接合部(噴門部)までの最も短い部分が「腹部食道」です。 また、食道には生理的狭窄といって、もともとくびれて狭くなっている部分が3カ所あります。食道の入り口部分の「第1狭窄部」。「第2狭窄部」は気管支が交差する部分。「第3狭窄部」は、胃液が逆流しないよう狭くなっています。 これら狭窄部にはがんができやすく、"食べ物がつかえる"などの違和感がある場合は要注意です。 食道の壁は厚さが約4mm。一番内側は「粘膜」で覆われています。この粘膜は、食べ物が通過しやすいよう、また食道が食べ物で傷つかないよう丈夫で滑らかな「重層扁平上皮細胞」という組織でつくられています。 粘膜の外には、「粘膜筋板」という薄い筋肉の層があり、その外は「粘膜下層」といいます。 粘膜下層のさらに外には、「輪状筋」と「縦走筋」からなる固有筋層があり、食道の蠕動運動を担っているのがこれら筋肉の層です。そして、いちばん外側は「外膜」という膜状の結合組織で覆われています。
食べ物が胃へ運ばれるしかけ
食道の役割は、口のなかで噛み砕かれた食べ物や水分を、胃へ送り込むことです。 ただ、食べ物は、自然に胃へと流れ落ちるわけではありません。食道のうねうねとした運動-蠕動運動によって、強制的に胃へと運ばれるのです。そのため、横になっていても、たとえ逆立ちしていたとしても、重力に関係なく食べ物は胃へ運ばれます。 食道の蠕動運動を担っているのは、食道壁にある固有筋層です。輪状筋が上から順に次々と収縮運動をすることで、ゆっくりと食べ物を胃へと押し運んでいきます。食べ物が食道を通過する時間は水分で1~10秒、固形物で30~60秒。胃に届くまでは水分で1秒、固形物で5~6秒です。 一方で、食道には胃からの逆流を防ぐ"防御機能"も備わっています。食道と胃の接合部である「噴門」に、「下部食道括約筋」があり、胃への入り口の開閉を調節しているのです。 括約筋とは、収縮することで管状の器官を閉じる作用をもつ筋肉のことで、ふだんは下部食道括約筋が収縮して、噴門が閉じられています。 しかし、食べ物が噴門に到達すると、下部食道括約筋がゆるんで噴門が開き、食べ物を胃へと通します。そして、食べ物が通過すると、噴門は再び閉じます。これを「噴門反射」といいます。 「のどもと過ぎれば熱さ忘れる」という諺がありますが、食道の粘膜の感覚は、あまり敏感ではありません。しかし、食べ物や飲み物の刺激には鈍感でも、実際には熱いものや強いアルコール、たばこなどの影響によって、食道の粘膜は障害されます。 とくにアルコールやたばこによる過剰な刺激は、食道炎や食道がんの原因にもなります。食べ物を飲み込むときに痛みがある、しみたり、つかえる感じがあるなどの場合は要注意です。 食道の粘膜には、胃液に含まれる強力な酸や消化酵素を防御する機能はありません。そのため、胃液の逆流にさらされていると、容易に粘膜が傷害されてしまいます。 胃液が逆流する原因は、下部食道括約筋がうまく働かないことが考えられます。また、胃の上部が横隔膜の上に脱出した状態になる「食道裂孔ヘルニア」(235頁)も、胃液を逆流させる大きな原因となります。
食べ物がたどる経路
消化器は、食べ物の消化と吸収にかかわる臓器の総称です。 消化とは、食べ物に含まれる栄養素を、吸収できる形まで胃液や胆汁などの消化液を使って分解するはたらきをいいます。一方、吸収とは、分解された栄養素を全身へ送るために、血液やリンパ液に取り込むはたらきのことです。 消化器には、食べ物の経路となる食道や胃、小腸、大腸などの消化管のほか、肝臓や胆のう、すい臓といった臓器が含まれます。 肝臓は、胆汁の生成をはじめ、有害物質の無毒化、また、糖質やたんぱく質、脂肪などの栄養素の分解や再合成などをつかさどっています。 胆のうは、脂っこいものを食べたときに肝臓でつくられた胆汁を十二指腸へ分泌します。 すい臓は、すい液を分泌して、腸内の塩酸を中和したり、たんぱく質や糖質、脂質の消化吸収を促しています。 これらの臓器すべてが連携することによって、食べ物の消化・吸収がスムーズに行われます。