い‐てき【夷狄】
《古代中国で、東方の未開国を夷、北方のそれを狄といったところから》未開の民や外国人。野蛮な民族。→東夷 →北狄
ぎ‐てき【儀狄】
中国、夏(か)の伝説上の人物。初めて酒を造ったという。転じて、酒の異称。
こ‐てき【胡狄】
《「胡」「狄」はともに中国北方の異民族の意》野蛮人。えびす。夷狄(いてき)。「今は曠田(くわうでん)の畝に捨てられて—の一足となれり」〈平家・二〉
じゅう‐てき【戎狄/戎翟】
《古代中国で、西方の蛮人を戎、北方の蛮人を狄といったところから》辺境の民族や外国人を卑しんでいう語。戎夷(じゅうい)。
てき【狄】
古代中国で、匈奴(きょうど)など北方の異民族の呼称。北狄。 綱淵謙錠(つなぶちけんじょう)の長編時代小説。昭和47年(1972)から昭和48年(1973)にかけて「別冊文芸春秋」誌にて連載。...
いばんじゅうてき【夷蛮戎狄】
中国の周辺部の異民族の総称。四方のえびす。「東夷とうい、西戎せいじゅう、南蛮なんばん、北狄ほくてき」を略したもので、四方それぞれの方角の異民族の名称。▽漢民族が異民族を卑しんで用いた語。
きんじゅういてき【禽獣夷狄】
中国周辺にいる異民族を卑しんでいう語。▽「禽獣」は鳥やけだもの。「夷狄」は異民族・未開人の意。
なんばんほくてき【南蛮北狄】
昔の中国人が、異民族をさげすんで称した語。▽「蛮」「狄」はともに、異民族に対する蔑称べっしょう。「南蛮」は南方の未開民族のこと。「蛮」は文明を知らぬ民族の意。「北狄」は北方の異民族のこと。「狄」は追い払うべきえびすの意。この二者で広く異民族を代表する。
ばんいじゅうてき【蛮夷戎狄】
⇒ いばんじゅうてき(夷蛮戎狄)