エポケー【(ギリシャ)epochē】
1 哲学で、判断をいっさい差し控える態度。判断中止。古代ギリシャの懐疑論者たちが哲学上の独断的主張に反対して唱えた。 2 フッサールの現象学で、純粋意識の領域に至るために、自然的態度に基づく判断...
げん‐しょう【現象】
1 人間が知覚することのできるすべての物事。自然界や人間界に形をとって現れるもの。「不思議な—が起こる」「一時的な—」「自然—」 2 哲学で、 ㋐本体・本質が外的に発現したもの。 ㋑カント哲学で...
げんしょう‐がく【現象学】
1 ヘーゲルの精神現象学。最も単純な感覚的確信から最高の絶対知へ至るまでの精神の弁証法的発展の叙述。 2 フッサールによって創唱された哲学。純粋意識の本質を記述し、その志向的体験をノエシス・ノエ...
さ‐よう【作用】
[名](スル) 1 他のものに力を及ぼして影響を与えること。また、その働き。「太陽熱は植物の生育に—する」「薬の副—」「相乗—」 2 生物が生存していくための心身の働き。「消化—」「心理—」 3...
しこう‐せい【志向性】
《(ドイツ)Intentionalität》現象学で、すべての意識は常にある何ものかについての意識であるという、意識の特性をいう。指向性。
ガーフィンケル【Harold Garfinkel】
[1917〜2011]米国の社会学者。カリフォルニア大教授。A=シュッツの現象学の影響を受けて、エスノメソドロジーを創始した。著「エスノメソドロジー研究」など。
きだ‐げん【木田元】
[1928〜2014]哲学者。山形の生まれ。中央大教授。ハイデッガー研究の第一人者として知られるほか、メルロ=ポンティの翻訳を数多く手がけた。著「現象学」「哲学と反哲学」「闇屋になりそこねた哲学...
シェーラー【Max Scheler】
[1874〜1928]ドイツの哲学者・社会学者。カントの形式主義倫理学に反対し、実質的価値倫理学を確立。現象学的方法を心理学・社会学・哲学などに適用した。晩年は、哲学的人間学の樹立に尽力。著「倫...
ハイデッガー【Martin Heidegger】
[1889〜1976]ドイツの哲学者。キルケゴール、ディルタイの解釈学の影響のもとに、フッサールの現象学を発展させた。哲学の対象である存在は、実存を通してのみ理解可能であるとする、基礎的存在論と...
ハルトマン【Nicolai Hartmann】
[1882〜1950]ドイツの哲学者。初め新カント学派に属して認識論を研究したが、フッサールの現象学の影響を受けて存在論を哲学の中心と考えるようになり、独自の批判的存在論を提唱した。著「認識の形...