かぎろい【陽炎】
1 かげろう。「—のもゆる荒野に白たへの天領巾(あまひれ)隠り」〈万・二一〇〉 2 夜明け方の光。「東(ひむがし)の野に—の立つ見えてかへり見すれば月かたぶきぬ」〈万・四八〉
かぎろい‐の【陽炎の】
[枕]春、炎のように立つかげろうの意から、「春」「燃ゆ」にかかる。「奈良の都は—春にしなれば」〈万・一〇四七〉
かげろう【陽炎】
春の天気のよい穏やかな日に、地面から炎のような揺らめきが立ちのぼる現象。強い日射で地面が熱せられて不規則な上昇気流を生じ、密度の異なる空気が入りまじるため、通過する光が不規則に屈折して起こる。か...
陽炎(かげろう)稲妻(いなずま)水(みず)の月(つき)
捕らえがたいもの、また、すばしこいもののたとえ。「隠れ現れ—手にもたまらず防がるる」〈浄・烏帽子折〉
よう‐えん【陽炎】
「かげろう」に同じ。