あ‐な‐た【彼方】
[代] 1 遠称の指示代名詞。 ㋐離れた場所・方向などをさす。向こう。あちら。「山の—の空遠く」〈上田敏訳・海潮音・山のあなた〉 「北の障子の—に人の気配するを」〈源・帚木〉 ㋑以前。昔。「昨日...
ざいざい‐しょしょ【在在所所】
ここかしこ。あちらこちら。また、あちらこちらの村里。「御城下の町々、かいどうすじの—を焼きたてました」〈谷崎・盲目物語〉
このも‐かのも【此の面彼の面】
1 こちら側とあちら側。「つくばねの—に影はあれど君がみかげにます影はなし」〈古今・東歌〉 2 あちらこちら。そこここ。「—あやしくうちよろぼひて」〈源・夕顔〉
こなた‐かなた【此方彼方】
[代]指示代名詞。 1 こちらとあちら。「白雲の—に立ちわかれ心を幣(ぬさ)とくだく旅かな」〈古今・離別〉 2 あちらこちら。「み山路やゆふこえくれば里みえて—に煙たつなり」〈新続古今・羇旅〉
むこう【向こう】
1 正面。前方。また、前方の比較的離れた場所。「—に見える山」「—にいる人を手招きする」 2 ㋐物を隔てた、あちらの方。「山の—の村」「通りの—」 ㋑距離を隔てた、あちらの方。目的とする地や、外...
あけ‐あわ・す【開け合はす】
[動サ下二]あちらの戸とこちらの戸をともに開ける。両方の戸を開ける。「局(つぼね)の隔てなる遣り戸を—・せて物語などし暮らす日」〈更級〉
わた・る【渡る/渉る】
[動ラ五(四)] 1 間を隔てているものの一方から他方へ越えていく。「浅瀬を歩いて—・る」「橋を—・る」「廊下を—・る」 2 船や飛行機で海外へ行く。また、海外から来る。鳥が繁殖地と越冬地の間を...
かなた‐こなた【彼方此方】
[代]遠称の指示代名詞。いろいろの場所・方向などをさす。あちらこちら。方々。「見渡す海原の—には三本檣(マスト)の大きな漁船が往来(ゆきき)して居る」〈荷風・ふらんす物語〉
かた‐がた【方方/旁】
[名] 1 (方方)「人々」の敬称。かたたち。「お世話になった—」 2 あちこちの貴人の部屋。「あまたの御—を過ぎさせ給ひて」〈源・桐壺〉 3 いろいろの方角・場所。また、いろいろの方面の事柄...
か‐な‐た【彼方】
[代]遠称の指示代名詞。 1 話し手・聞き手の双方から離れた場所・方向をさす。また、現在から遠く離れた過去・未来を示す。あちら。あっち。「—の山」「忘却の—」 2 ある物に隔てられて見えない場所...