もの‐おぼ・ゆ【物覚ゆ】
[動ヤ下二] 1 意識がしっかりしている。正気である。「—・えずなりて、またいみじう泣かるれば」〈かげろふ・上〉 2 物心がつく。「—・えてのち、さることをこそまだ見侍らね」〈大鏡・道長上〉
もの‐し【物仕/物師】
1 物事をよく心得てする人。また、世事になれた人。巧者。「いみじき—ぞ、まろは」〈落窪・一〉 2 裁縫で仕える女の奉公人。おものし。「腰元、中居女、—を添へて」〈浮・胸算用・二〉
もの‐つつま・し【物慎まし】
[形シク]何となくはばかられる。何となく恥ずかしい。「たち聞き、かいまむ人のけはひして、いといみじく—・し」〈更級〉
もの‐ふか・し【物深し】
[形ク]《「ものぶかし」とも》 1 奥まっている。奥深い。「鳥の声も…口を籠めながら鳴けばいみじう—・く遠きが」〈枕・七三〉 2 思慮深い。重々しい。「かれはなほいと—・う、人がらのめでたきなど...
や・める【止める/已める】
[動マ下一][文]や・む[マ下二] 1 続けてきた状態・動作・行為をとめる。終える。「付き合いを—・める」「酒を—・める」 2 予定していたことをしないことにする。中止する。「旅行を—・める」 ...
ゆるぎ‐あり・く【揺るぎ歩く】
[動カ四]ゆるゆると偉そうに歩きまわる。「あはれ、いみじう—・きつるものを」〈枕・九〉
よう‐い【用意】
[名](スル) 1 前もって必要なものをそろえ、ととのえておくこと。したく。「食事の—がととのう」「招待客の車を—する」 2 細かいところまで気を配ること。用心。「いみじう—して車のもとへあゆみ...
よう・ず【瑩ず】
[動サ変]貝でみがいて光沢を出す。「いみじう—・じたる白き衣(きぬ)」〈枕・九〇〉
りゅう‐どう【竜胆】
「りんどう(竜胆)1」に同じ。「—の露いみじう置きたるに」〈丹鶴本御堂関白集・詞書〉
脇(わき)を掻(か)・く
わきの下あたりをさする。得意なさま、気負ったさまにいう。「いみじくしたり顔に—・きて言ひけるをぞ」〈今昔・二五・五〉