おもい‐づま【思ひ妻/思ひ夫】
深く愛する妻、または夫。「奥山の岩本菅(いはもとすげ)の根深くも思ほゆるかも我(あ)が—は」〈万・二七六一〉
おもい‐で【思い出】
1 過去に自分が出会った事柄を思い出すこと。また、その事柄。「—にひたる」 2 あることを思い出すよすがになるもの。「旅の—に写真を撮る」 [補説]書名別項。→思ひ出
おもいで【思ひ出】
北原白秋の叙情小曲集。明治44年(1911)刊。フランス印象派の影響を受けた作品群により注目を浴び、詩壇での地位を確立した。
おもいでのき【思出の記】
徳冨蘆花の自伝的小説。明治33〜34年(1900〜1901)に発表。作者自身の生活体験に基づいた教養小説であり、同時に明治の時代精神を描く。
おもいで‐ばなし【思い出話】
昔の自分の体験・見聞を思い出してする話。回想談。
おもいで‐ぶか・い【思い出深い】
[形][文]おもひでぶか・し[ク]以前にあった事柄などが心に強くうかぶようである。「—・い場所」
おもいでをうるおとこ【思ひ出を売る男】
加藤道夫の戯曲。1幕。昭和26年(1951)「演劇」誌に発表。翌年、著者自身によりラジオドラマ化。舞台初演は昭和28年(1953)、文学座による。同年、黛敏郎作曲・近藤玲子の振り付けによりバレエ化。
おもい‐とじ・む【思ひ閉ぢむ】
[動マ下二]思うことをやめる。断念する。「さらに立ちかへらじと—・めて」〈源・若菜上〉
おもい‐とどこお・る【思ひ滞る】
[動ラ四]決心が鈍る。決断をためらう。「はかなき事に—・り」〈源・橋姫〉
おもい‐とどま・る【思い止まる】
[動ラ五(四)]しようと思っていたことをやめる。考えたすえ、やめにする。思いとまる。「脱会を—・る」