おもい‐たわ・む【思ひ撓む】
[動マ四]心がくじける。「ますらをの心はなしにたわやめの—・みて」〈万・九三五〉
おもい‐つつ・む【思ひ包む】
[動マ四]心の内が表にもれないようにする。つつしむ。「色に出でてはえあらず—・むことありて」〈宇津保・内侍督〉
おもい‐つら・ぬ【思ひ連ぬ】
[動ナ下二]いろいろのことを思い続ける。「つつましくする事どもを—・ねて書きたるも」〈十六夜日記〉
おもい‐づま【思ひ妻/思ひ夫】
深く愛する妻、または夫。「奥山の岩本菅(いはもとすげ)の根深くも思ほゆるかも我(あ)が—は」〈万・二七六一〉
おもい‐とじ・む【思ひ閉ぢむ】
[動マ下二]思うことをやめる。断念する。「さらに立ちかへらじと—・めて」〈源・若菜上〉
おもい‐とどこお・る【思ひ滞る】
[動ラ四]決心が鈍る。決断をためらう。「はかなき事に—・り」〈源・橋姫〉
おもい‐とど・む【思ひ止む】
[動マ下二] 1 思い切る。あきらめる。「いみじからむ過ちを、さしあたりて見つけたりとも、えとがめ—・むべうもあらず」〈夜の寝覚・三〉 2 深く考える。「物をいたう—・めたりし心に」〈源・夕霧〉...
おもい‐と・る【思ひ取る】
[動ラ四] 1 悟る。わきまえる。理解する。「世の道理を—・りて、恨みざりけり」〈源・帚木〉 2 心に思い定める。決心する。「ただ念仏を修して後世を祈りて、この所をいでじと—・りて」〈今昔・一五・六〉
おもい‐どち【思ひどち】
(ある人から)愛されている者どうし。「上も、かぎりなき御—にて」〈源・桐壺〉
おもい‐どり【思ひ取り】
この人と思う人から杯をもらうこと。また、思うところあって、差された杯を受けること。「おもひざし、—、その後は乱舞になる」〈曽我・六〉