おもほえ◦ず【思ほえず】
[連語]《動詞「おもほゆ」の未然形+打消しの助動詞「ず」》思いがけず。不意に。「—◦ず来ましし君を佐保川(さほがは)のかはづ聞かせず帰しつるかも」〈万・一〇〇四〉
おもほ・し【思ほし】
[形シク]《動詞「おもふ」の形容詞化》心に望んでいる。願わしい。「—・しき言伝(ことつて)遣らず恋ふるにし心は燃えぬ」〈万・三九六二〉
おもほし‐め・す【思ほし召す】
[動サ四]《動詞「おもほす」の連用形+補助動詞「めす」から》「思う」「考える」の尊敬語。「思ほす」よりも敬意が高い。お思いあそばす。「いかさまに—・せか」〈万・二九〉
おもほ・す【思ほす】
[動サ四]《動詞「おもふ」の未然形に尊敬の助動詞「す」の付いた「おもはす」の音変化》「思う」の尊敬語。お思いになる。「藤波の花は盛りになりにけり奈良の都を—・すや君」〈万・三三〇〉
おもほ・ゆ【思ほゆ】
[動ヤ下二]《動詞「おもふ」の未然形に自発の助動詞「ゆ」の付いた「おもはゆ」の音変化》思うまいとしても、自然に思われる。「瓜(うり)はめば子ども—・ゆ」〈万・八〇二〉