し‐い・ず【為出づ】
[動ダ下二] 1 あつらえ調える。用意する。また、作り上げる。「御帳の帷子(かたびら)など、由あるさまに—・でつつ」〈源・明石〉 2 行為に表す。する。特に、大きなことやとんでもないことをする。...
はしり‐かか・る【走り掛かる】
[動ラ四] 1 勢いよく走りよってかかる。飛びかかる。「しれ者は—・りたれば」〈枕・九〉 2 勢いよく流れてかかる。「その石の上に—・る水は」〈伊勢・八七〉
くさ‐まくら【草枕】
[名]《旅先で、草で仮に編んだ枕の意から》旅寝すること。旅先でのわびしい宿り。くさのまくら。「衣うつ音を聞くにぞ知られぬる里遠からぬ—とは」〈千載・秋下〉 [枕] 1 「旅」「旅寝」および同...
しろたえ‐の【白妙の】
[枕] 1 衣・布に関する「衣」「袖(そで)」「袂(たもと)」「たすき」「紐(ひも)」「領布(ひれ)」などにかかる。「—袖ひつまでに泣きし思ほゆ」〈万・二五一八〉 「—紐をも解かず一重結ふ帯を三...
なよたけ‐の【弱竹の】
[枕] 1 なよ竹がたわむ意から、「とをよる」にかかる。「—とをよる児らは」〈万・二一七〉 2 竹の節(よ)の意から、「よ」にかかる。「—夜ながきうへに」〈古今・雑下〉 3 竹の節(ふし)の意か...
くもい‐なす【雲居なす】
[枕] 1 雲のかかる遠くの意から、「遠く」にかかる。「隼人(はやひと)の薩摩(さつま)の瀬戸を—遠くも我は今日見つるかも」〈万・二四八〉 2 雲のように揺れ動く心の意から、「心」にかかる。「—...
むらさき‐の【紫の】
[枕] 1 ムラサキの根で染めた色の美しいところから、「にほふ」にかかる。「—にほへる妹を憎くあらば」〈万・二一〉 2 紫色が名高い色であったところから、地名「名高(なたか)」にかかる。「—名高...
やまがわ‐の【山川の】
[枕] 1 山川の流れは激しい意から、「たぎつ」「はやし」にかかる。「—激(たぎ)つ心を」〈万・二四三二〉 2 山川の流れる音が高いところから、「おと」にかかる。「—音にのみ聞く」〈古今・雑下〉...
あしがき‐の【葦垣の】
[枕] 1 葦垣は古びて見え、乱れやすく、また、その結び目は間が近いところから、「古(ふ)る」「乱る」「間近し」などにかかる。「—古りにし里と」〈万・九二八〉 「—ま近けれども逢ふよしのなき」〈...
やますげ‐の【山菅の】
[枕] 1 山菅の葉が茂り乱れている意から、「乱る」「背向(そがひ)」にかかる。「—思ひ乱れて恋ひつつ待たむ」〈万・三二〇四〉 2 山菅の実の意で、「実」にかかる。「—実成らぬことを」〈万・五六...