ふる‐ごろも【古衣】
《「ふるころも」とも》 [名]着古した衣服。古着。ふるぎぬ。「—打棄(うちつ)る人は秋風の立ち来る時に物思ふものそ」〈万・二六二六〉
[枕]
が砧(きぬた)でまた打つものであるところから、「...
ふり‐そそ・ぐ【降(り)注ぐ】
[動ガ五(四)]そのものの上に集中的に降りかかる。「さんさんと—・ぐ日の光」「反対の声が—・ぐ」
ふじ‐ごろも【藤衣】
1 藤づるの皮の繊維で織った粗末な衣服。ふじのころも。「穂にもいでぬ山田をもると—稲葉の露にぬれぬ日ぞなき」〈古今・秋下〉 2 麻布で作った喪服。ふじのころも。「—露けき秋の山びとは鹿のなく音(...
ふたさや‐の【二鞘の】
[枕]二鞘は2本の刀を一緒に入れることのできる鞘で、中に隔てがあるところから、「家を隔つ」にかかる。枕詞としないで比喩とする説もある。「人言を繁みや君が—家を隔てて恋ひつつまさむ」〈万・六八五〉
ふすまじ‐を【衾道を】
[枕]地名「引手の山」にかかる。かかり方未詳。「衾道」を地名と見なし、これを枕詞とはしない説もある。「—引手の山に妹(いも)を置きて山道(やまぢ)を行けば生けりともなし」〈万・二一二〉
ふせや‐たく【伏せ屋焚く】
[枕]伏せ屋で火をたくと煤(すす)が出やすい意から、同音の「すす」にかかる。「千沼壮士(ちぬをとこ)菟原壮士(うなひをとこ)の—すすし競(きほ)ひ」〈万・一八〇九〉
ふ‐しまつ【不始末】
[名・形動] 1 後始末のしかたが悪いこと。また、そのさま。「タバコの火の—から火事になる」 2 人に迷惑がかかるような不都合な行いをすること。また、その行いや、そのさま。「弟の—をわびる」「息...
ふな‐ずし【鮒鮨】
熟(な)れ鮨の一種。鮒を塩漬けにしたあと、塩を洗って米飯と交互に漬け込み、重石(おもし)をして自然発酵させたもの。琵琶湖の名産。《季 夏》「—や彦根の城に雲かかる/蕪村」
ふじのね‐の【富士の嶺の】
[枕]富士山の燃えて火を噴く意から、「燃ゆ」にかかる。「—燃えつつとはに思へども」〈古今・雑体〉
ふな‐あまり【船余り】
船が岸に着くとき、その反動で少し岸から離れること。一説に「帰り来む」にかかる枕詞ともいう。「大君を島に放(はふ)らば—い帰り来むぞ」〈記・下・歌謡〉