くち‐す・う【口吸ふ】
[動ハ四]他人の口を吸う。接吻(せっぷん)する。「かき抱き奉り、引き抓み奉り、—・ふまねなどして」〈古本説話集・下〉
くち‐すぎ【口過ぎ】
食物を得ること。暮らしを立てること。生計。糊口(ここう)。「先ず—から考えて掛らねば成らなかった」〈藤村・桜の実の熟する時〉
くち‐すす・ぐ【嗽ぐ/漱ぐ】
[動ガ五(四)] 1 口の中を水などで洗い清める。うがいをする。くちそそぐ。「石に—・ぎ流れに枕(まくら)す」 2 すぐれた詩文を味わい学ぶ。「文は漢魏の芳潤に—・いで、万巻の書をそらんじ給ひし...
くち‐ず‐から【口ずから】
[副]その人自身の口で。自分の言葉で。「—語る所によれば」〈荷風・つゆのあとさき〉
くち‐ずくな【口少な】
[名・形動]口数の少ないこと。また、そのさま。「—でしとやかな人」
くち‐ずさ・ぶ【口遊ぶ】
[動バ四] 1 「口遊(くちずさ)む」に同じ。「ゆたのたゆたに、と—・びて」〈狭衣・二〉 2 鳴く。「かた岡に谷の鶯門出してはねならはしに—・ぶなり」〈夫木・二〉
くち‐ずさみ【口遊み】
1 詩や歌などを、心に思い浮かぶまま軽く声に出すこと。 2 いつも愛唱される歌や言葉。「なかにも恋の歌は、いたく人の—にもし侍る」〈今鏡・六〉 3 うわさをすること。また、話の種。評判。「あはれ...
くちずさみ【口遊】
平安時代の教科書・事典。1巻。源為憲(みなもとのためのり)著。天禄元年(970)成立。公家の子弟を対象に、初歩的な知識を暗唱に便利なようにまとめたもの。乾象(天文)・時節・官職・人倫など、19部...
くち‐ずさ・む【口遊む】
[動マ五(四)] 1 詩や歌などを思いつくままに口にしたり歌ったりする。「懐かしの歌を—・む」 2 うわさをする。「不義淫乱の噂を—・めば」〈当世下手談義・五〉
くち‐ずっぱく【口酸っぱく】
[副]同じ言葉をなん度も繰り返して念を入れて言うさま。「いくら—言っても聞かない」