しに‐ぐるい【死に狂ひ】
死に物狂い。「腰刀を抜き持ちて、はねて係りて戦ひけり。—とぞ見えたりける」〈盛衰記・一五〉
した‐ね【下根】
下方に伸びている根。また、下に隠れて見えない根。「たづの住む沢べの蘆の—解け汀萌え出づる春はきにけり」〈後拾遺・春上〉
しどみ【樝】
クサボケの別名。《季 花=春 実=秋》「さるほどに—咲く地のあをみけり/蛇笏」
しのび‐ごと【忍び事】
他人に知られないようにする事柄。隠しごと。内緒ごと。「かかる御—により、山里の御歩(あり)きもゆくりかに思したつなりけり」〈源・総角〉
し‐そ・む【為初む】
[動マ下二]しはじめる。「はかなき答(いら)へをも—・めじと思ひ離るるなりけり」〈源・手習〉
しみ‐どうふ【凍み豆腐】
「凍(こお)り豆腐」に同じ。《季 冬》「—煮て佳(よ)き酒を尽しけり/秋桜子」
しめ‐じめ
[副] 1 しっとりとぬれるさま。「しぐれつつうつろふ見れば菊の花色を—降る雨にぞ有りける」〈源順集〉 2 もの静かに沈んでいるさま。しんみり。「—と物語聞え給ふ」〈源・総角〉 3 静かに心を打...
しぶ‐しぶ【渋渋】
[副]気が進まぬまま、しかたなく物事をするさま。嫌々ながら。「—(と)承諾する」
[形動ナリ]
に同じ。「童(わらは)—に法師になりにけり」〈宇治拾遺・五〉
しば‐ぐり【柴栗】
《「しばくり」とも》クリの一品種。山地に自生し、実は小粒だが味がよい。ささぐり。《季 秋》「—の一人はぢけて居たりけり/一茶」
し‐は・つ【仕果つ/為果つ】
[動タ下二]しおえる。やりとげる。「月々の御事ども—・て給てけり」〈栄花・衣の珠〉