たたわ・し【湛はし】
[形シク] 1 物事が完全無欠で満ち足りている。「望月(もちづき)の—・しけむと我(あ)が思ふ皇子(みこ)の命(みこと)は」〈万・三三二四〉 2 いかめしく、りっぱである。おごそかである。「これ...
たち‐あ・う【立(ち)合う】
[動ワ五(ハ四)] 1 互いに勝ち負けを争う。「正々堂々と—・う」 2 互いに行き会う。「山並の宜しき国と川なみの—・ふ里と」〈万・一〇五〇〉
ただ‐め【直目】
直接に見ること。まのあたりに見ること。「語り継ぐからにもここだ恋しきを—に見けむ古壮士(いにしへをとこ)」〈万・一八〇三〉
たしょく‐せい【多色性】
⇒たしきせい(多色性)
ただ‐あり【徒有り】
[名・形動ナリ]飾り気がないこと。ありふれていること。また、そのさま。ありのまま。平凡。「をかしきすぢなど立てたることはなう、—なるやうなるを」〈枕・四九〉
たず‐が‐ね【田鶴が音】
1 鶴の鳴き声。「—の悲しき夕(よひ)は」〈万・四三九九〉 2 鶴のこと。「—の悲しく鳴けばはろばろに家を思ひ出」〈万・四三九八〉
たたき‐た・てる【叩き立てる】
[動タ下一][文]たたきた・つ[タ下二]しきりにたたく。「間拍子おもしろく畳を—・てる音」〈万太郎・ゆく年〉
たたずま・う【佇まふ】
[動ハ四]《動詞「たたずむ」の未然形+反復継続の助動詞「ふ」から》じっと立ち止まっている。「われはと思ひたる女房の、のぞきけしきばみ、奥の方に—・ふを」〈枕・三〉
ぜん‐だい【前代】
1 前の時代。先代。「—の遺物」 2 当主の前の代。先代。「—の遺言」 3 「前代未聞」の略。「—珍しき事ぞと、沙汰せざる所なし」〈浮・二十不孝・三〉
ぜん‐せん【漸染】
しだいに染まること。習慣になること。「人民抑圧の制に慣れ、—の久しき」〈東海散士・佳人之奇遇〉