戸板(といた)に豆(まめ)
《戸板にのせた豆は転がって扱いにくいところから》なかなか思うようにならないたとえ。
灯(とう)滅(めっ)せんとして光(ひかり)を増(ま)す
《「法滅尽経」から》ともしびが消えようとするとき、一瞬その光を増す。物事が滅びる直前に、一時勢いを盛り返すたとえ。
問屋(といや)の只今(ただいま)
問屋が、「ただいま送ります」と言いながらなかなか品物を送らないところから、約束の期日が当てにならないことのたとえ。
唐(とう)へ投(な)げ銀(がね)
鎖国以前、朱印船貿易で、海外貿易に投資すること。投機的な投資や無駄な投資のたとえにもいう。「—して仕合はせ」〈浮・二十不孝・三〉
刀下(とうか)の鳥(とり)林藪(りんそう)に交(まじ)わる
切り殺されようとした鳥がのがれて林や藪(やぶ)の中に遊ぶ。九死に一生を得て蘇生(そせい)の思いをするたとえ。
堂(どう)に升(のぼ)りて室(しつ)に入(い)らず
《「論語」先進から。「堂」は中国の建物で客に応接する表座敷、「室」は奥の間の意》学問や技芸がかなりの段階に達しているが、まだ深奥には達していないたとえ。
豆腐(とうふ)に鎹(かすがい)
少しも手ごたえがなく、ききめがないたとえ。糠(ぬか)に釘(くぎ)。
どうぶん‐どうき【同文同軌】
《「礼記」中庸から》同じ文字を使用し、車輪の幅が同じ車を用いること。天下に秩序が保たれているたとえ。
毒蛇(どくじゃ)の口(くち)
危険な場所。また、危険が身に迫っていることのたとえ。毒蛇の腮(あぎと)。
と‐かく【兎角】
兎(うさぎ)の角(つの)。現実に存在しないもののたとえ。「亀毛(きもう)—」