み‐うしな・う【見失う】
[動ワ五(ハ四)]今まで見ていたものの所在がわからなくなる。「人込みの中で友達を—・う」「目標を—・う」
東西(とうざい)を失(うしな)・う
方向を見失う。方角がわからなくなる。途方に暮れる。東西眩(く)る。「山の中にして道に迷(まど)ひて—・ひつ」〈今昔・一三・一〉
気(き)を失(うしな)・う
1 意識を失う。気絶する。 2 意欲を失う。気落ちする。「此の城を夜討に落として、敵に—・はせ」〈太平記・二八〉
時(とき)を失(うしな)・う
1 よい時機を逃がす。「—・って事業の拡張はならなかった」 2 時世に入れられず、権勢を失う。失意の人となる。「いつかまた春のみやこの花を見む時失へる山がつにして」〈源・須磨〉
面目(めんぼく)を失(うしな)・う
自分の名誉に傷をつける。体面をそこなう。「仲裁に失敗して—・う」
前後(ぜんご)を失(うしな)・う
「前後を忘れる」に同じ。
人(ひと)を玩(もてあそ)べば徳(とく)を喪(うしな)い物(もの)を玩(もてあそ)べば志(こころざし)を喪(うしな)う
《「書経」旅獒から》人を侮ってもてあそべば、結局は自分の徳を失うことになり、物をもてあそび、物に執着しすぎると、人間にとっていちばん大切なはずの志まで見失ってしまうことになる。
挙措(きょそ)を失(うしな)・う
取り乱した行いをする。挙措を失す。「突然の悲報に接して—・う」
度(ど)を失(うしな)・う
ひどくあわてて心の平静を失う。周章狼狽(しゅうしょうろうばい)する。「突然のプロポーズに—・う」
色(いろ)を失(うしな)・う
心配や恐れなどで顔が真っ青になる。意外な事態に対処しきれないようす。「悲報に接し愕然(がくぜん)として—・う」