なごり【名残】
《「余波(なごり)」から》 1 ある事柄が過ぎ去ったあとに、なおその気配や影響が残っていること。また、その気配や影響。余波(よは)。「台風の—の高波」「古都の—をとどめる」 2 人と別れるときに...
なごり【余波】
《「なみのこり」の音変化》 1 波が打ち寄せたあと、渚のあちこちに残っている海水や海藻など。「難波潟(なにはがた)潮干の—よく見てむ家なる妹が待ち問はむため」〈万・九七六〉 2 強風の吹きやんだ...
なごり‐おし・い【名残惜しい】
[形][文]なごりを・し[シク]別れがつらく、心残りのするさま。「親友との別れはことさら—・い」
なごり‐きょうげん【名残狂言】
⇒御名残狂言(おなごりきょうげん)
なごり‐な・い【名残無い】
[形][文]なごりな・し[ク]残るところがない。あとかたない。物事の影響や余韻がない。「打続いての快晴で空は—・く晴渡ッてはいたが」〈二葉亭・浮雲〉 「柴の戸をさすや日影の—・く春暮れかかる山の...
なごり‐の‐うら【名残の裏】
連歌・連句を書きつける懐紙の最後の一折の裏。百韻では最後の8句、歌仙では最後の6句を書く。名裏。
なごり‐の‐おもて【名残の表】
連歌・連句を書きつける懐紙の最後の一折の表。百韻では14句、歌仙では12句を書く。名表。
なごり‐の‐おり【名残の折】
連歌・連句を書きつける懐紙の最後の一折。百韻では4枚目、歌仙・五十韻では2枚目についていう。名残。→初折
なごり‐の‐さかずき【名残の杯】
別れを惜しんでくみかわす杯。別杯(べっぱい)。
なごり‐の‐しも【名残の霜】
八十八夜のころ降りる、霜。別れ霜。忘れ霜。《季 春》