とり‐なり【取(り)成り】
なりふり。人の身なりや素振り。「おとなしやかな—で」〈鏡花・高野聖〉
なお‐なお【直直】
[形動ナリ]まっすぐなさま。すなおなさま。「ひさかたの天路は遠し—に家に帰りて業(なり)をしまさに」〈万・八〇一〉
とし‐がまえ【年構へ】
[名・形動ナリ]かなり年をとっていること。また、そのさま。「艫(とも)に—なる親仁(おやぢ)、居ながら楫(かぢ)とりて」〈浮・一代女・三〉
なだ‐らか
[形動][文][ナリ] 1 傾斜の度合いがゆるやかなさま。「—な坂」 2 物の表面が角ばっていないさま。滑らか。「鏡という道具は…—に人の顔を写さなくては義理が立たぬ」〈漱石・草枕〉 「—なる石...
ながめ‐がち【眺め勝ち】
[形動ナリ]物思いに沈みながら見やることの多いさま。「ただならず—なり」〈源・空蝉〉
なか‐ぞら【中空】
[名]空の中ほど。中天。「—までも立ち昇る烈々とした炎の色は」〈芥川・地獄変〉
[形動ナリ] 1 どちらともきまらないさま。中途半端。「いづ方にも寄らず—にうき御宿世なりければ」〈源・柏木〉...
とし‐ばい【年延い】
[名・形動ナリ] 1 「としばえ」に同じ。「ちゃうどお前の—で、格好もそのまま」〈浄・冥途の飛脚〉 2 年齢にふさわしい思慮分別があること。また、そのさま。「徳兵衛殿はこなたかと、—なる仁体なり...
とこ‐わか【常若】
[名・形動ナリ]いつまでも若々しいこと。また、そのさま。「いつとなく君によはひをゆづりはのなほ—に栄ゆべらなり」〈林葉集〉
てて【父】
《「ちち」の音変化か》父親。ちち。てて親。「—なりし人も、めづらかにあはれなる事なり」〈更級〉
て‐ぶっちょう【手不調】
[名・形動ナリ]手先の不器用なこと。また、そのさま。ぶきっちょ。「—の口八丁」「商人(あきんど)には巻き舌で向かず、職人には—なり」〈滑・浮世床・初〉