はなり【放り】
少女の、振り分けに垂らしたまま束ねない髪。また、その髪形の少女。うないはなり。はなりのかみ。ふりわけがみ。「橘の古婆(こば)の—が思ふなむ心愛(うつく)しいで我(あれ)は行かな」〈万・三四九六〉
や‐ろう【野郎】
1 男性をののしりさげすんでいう語。「あの—、ふとい奴だ」「ばかな—だ」 2 前髪をそり落とした若い男。「さてさて利口な—ぢゃな」〈浄・丹波与作〉 3 野郎歌舞伎の役者。「歌舞伎といふ事法度にな...
やおら
[副] 1 ゆっくりと動作を起こすさま。おもむろに。「—立ち上がる」 2 静かに。そっと。「姫君、御硯(すずり)を—引き寄せて」〈源・橋姫〉 [補説]1について、文化庁が発表した「国語に関する世...
ゆうそく‐よみ【有職読み】
中世の歌学で、歌人の名を音で読むこと。またはその読み方。藤原俊成(としなり)を「しゅんぜい」、藤原定家(さだいえ)を「ていか」と読むなど。また、近代にそれをまねて有名人の名を音読すること。伊藤博...
ゆう【優】
[名]すぐれていること。また、成績の評価で上位を表す語。「秀—良可」
[形動][文][ナリ] 1 美しく上品なさま。「濡羽の黒髪、肩に振分けて後に下げたる姿、—に気高し」〈樗牛・滝口入道〉 ...
ゆえん【所以】
《漢文訓読語の「故(ゆえ)になり」の音変化「ゆえんなり」からか》わけ。いわれ。理由。「人の人たる—」「彼が好かれる—は明るさにある」
もの‐ぐら・し【物暗し】
[形ク]薄暗い。「—・うなりて、文字も書かれずなりにたり」〈能因本枕・三二一〉
ゆる‐か【緩か】
[形動ナリ]ゆるやかなさま。「真木の戸をあくれば春やいそぐらん袂にさえし風—なり」〈夫木・一〉
ゆくり‐か
[形動ナリ] 1 思いがけないさま。突然であるさま。「山里の御歩(あり)きも—におぼし立つなりけり」〈源・総角〉 2 軽はずみであるさま。不用意なさま。「—にあざれたる事の」〈源・夕霧〉
ゆきあい‐の‐そら【行き合ひの空】
1 夏から秋へと移り変わるころの空。「夏衣片(かた)へ凉しくなりぬなり夜や更(ふ)けぬらん—」〈新古今・夏〉 2 牽牛(けんぎゅう)星と織女星が出会う七夕の空。「万代(よろづよ)に君ぞ見るべき七...