やっ‐と
[副] 1 たくさん。たいそう。「その外に川魚屋もまだまあ—あれどな」〈滑・浮世風呂・二〉 2 はるかに。ずっと。「荷を持つ方が—気楽な」〈浄・伊賀越〉
やっ‐と【漸と】
[副] 1 長い時間や労力を費やして実現・成立するさま。ようやく。「苦心のすえ—勝った試合」 2 足りてはいるが、余裕のないさま。かろうじて。「家族を—養えるだけの給料」
やっ‐とう
[感]斬り合いや剣術の際のかけ声。 [名]《の掛け声から》剣術。剣道。
やっとか‐め【やっとか目】
[形動]《名古屋を中心にした愛知、三重、岐阜の方言。「80日目」の意》久しぶりであるさま。
やっとこ【鋏】
鉄製の工具の一。先の合わせが平たくなっていて、針金・板金、また、熱した鉄などをはさんで持つようにしたもの。
やっとこ
[副]かろうじて物事を達成するさま。やっとのことで。やっとこさ。「—逃げのびる」
やっとこ‐さ
[感]力を入れるときのかけ声。やっとこせ。「—と、重い腰を上げる」 [副]やっとのことで。やっとこ。やっとこせ。「—進級した」
やっとこ‐せ
[感]「やっとこさ」に同じ。「—と、持ち上げる」 [副]「やっとこさ」に同じ。「—頂上に着いた」
やっとこたんてい【やっとこ探偵】
志茂田景樹の小説。昭和51年(1976)に第27回小説現代新人賞を受賞した、著者のデビュー作。
やっとことっちゃあ‐うんとこな
[感]《「やっとこさ」「どっこいしょ」「うんとこさ」の三つのかけ声を重ねたもの》歌舞伎で、荒事に用いるかけ声。