よもぎ‐の‐あと【蓬の跡】
灸(きゅう)をすえたあと。「朝露のひるまはいつぞ秋風に—も思ひ乱れぬ」〈隆信集〉
よもぎ‐の‐かど【蓬の門】
ヨモギが生い茂って荒れ果てた門。また、ヨモギで屋根を葺(ふ)いた粗末な門。「宿見れば—もさしながらあるべき物を思ひけむやぞ」〈かげろふ・中〉
よもぎ‐の‐かみ【蓬の髪】
《「蓬髪(ほうはつ)」を訓読みにした語》ヨモギのように、ほつれ乱れた髪。「いかにせん—の秋の霜身はいたづらにふりまさりつつ」〈新撰六帖・五〉
よもぎ‐の‐まど【蓬の窓】
ヨモギの茂っている荒れ果てた家の窓。「音はして岩にたばしる霰こそ—の友になりけれ」〈夫木・三一〉
よもぎ‐の‐まろね【蓬の丸寝】
荒れた宿にごろ寝をすること。「かかる—にならひ給はぬ心地も」〈源・東屋〉
よもぎ‐の‐や【蓬の矢】
ヨモギの葉で羽を矧(は)いだ矢。男児出生のとき、桑の弓にこの矢を用い、四方を射て前途を祝う。桑弧蓬矢(そうこほうし)。
よもぎ‐の‐やど【蓬の宿】
ヨモギなどが生え茂って荒れ果てた家。よもぎがやど。「玉しける庭に移ろふ菊の花もとの—な忘れそ」〈頼政集〉
よもぎ‐もち【蓬餅】
ヨモギの若葉を灰汁抜(あくぬ)きしてからつきこんで作った餅。草餅。《季 春》「掌中の珠とまろめて—/かな女」
世(よ)も末(すえ)
《仏教の末法思想による言葉》この世も終わりであること。救いがたい世であること。「こんな歌がはやるとは—だ」
よ‐も‐すがら【終夜】
[副]一晩中。夜どおし。よすがら。「—友と語り合う」