よ‐の‐さが【世の性】
世の常のこと。世間のならい。「おくれ先だつほどの定めなさは—と見給へ知りながら」〈源・葵〉
よ‐の‐たとい【世の譬ひ】
世間で言いならわしているたとえ。世間での言いぐさ。「もて離れてうとうとしく侍れば、—にてむつび侍らず」〈源・帚木〉
よ‐の‐ためし【世の例】
1 世の習い。世の常。「会えば必ず別れのあるのが—だ」 2 世間に語り継がれている事柄。また語り継がれるであろう事柄。「—にもなりぬべき御もてなしなり」〈源・桐壺〉
よ‐の‐つね【世の常】
1 世間によくあること。「二度あることは三度あるのが—だ」 2 ごく普通であること。「大きさは先(まず)、—の猫ほどでもございましょうか」〈芥川・地獄変〉
よ‐の‐なか【世の中】
1 人々が互いにかかわり合って生きて暮らしていく場。世間。社会。「—が騒がしくなる」「暮らしにくい—になる」 2 世間の人々の間。また、社会の人間関係。「—はもちつもたれつだ」「親も友達もないん...
よ‐の‐ならい【世の習い】
世間のならわし。世間にありがちなこと。「栄えている者もいつかは滅びるのが—だ」 [補説]作品名別項。→世の習い
よ‐の‐ひと【世の人】
1 この世に生きている人間。世間の人。せじん。よひと。「—に似ず物づつみをし給ひて」〈源・夕顔〉 2 人並みの人。「その女、—にはまされりけり」〈伊勢・二〉
世(よ)は張(は)り物(もの)
《「張り物」は、外見だけで中身のないもの》世の中は、見栄を張ってわたるのが普通である。世間は張り物。
よ‐ばな・れる【世離れる】
[動ラ下一][文]よばな・る[ラ下二]世間から遠ざかる。「—・れた暮らし方」
よ‐ひと【世人】
世間の人。せじん。「御もののけにやと—も聞こえ騒ぐを」〈源・紅葉賀〉