せけん‐の‐くち【世間の口】
世間のうわさ。「—がうるさい」
世間(せけん)の口(くち)には戸(と)は立(た)てられぬ
世間の人のうわさは防ぎ止めることができない。
世間(せけん)は張(は)り物(もの)
世間では誰でも見えを張るものだ。世界は張り物。
世間(せけん)は広(ひろ)いようで狭(せま)・い
世間は広いようであるが、実際は思いのほか狭い。思いがけない所に知人やつながりのある人がいる場合などにいう。
世間(せけん)晴(は)れて
隠したりしないでおおっぴらに。公然と。「—わが恋人を知らすべし」〈浮・諸艶大鑑・五〉
せけん‐ばなし【世間話】
あたりさわりのない、世の中の一般的な話。気のおけない雑談。
せけん‐ばなれ【世間離れ】
[名](スル)ものの考えかたや行動が、世間からかけ離れていること。世間一般の基準にこだわらずに超然としていること。浮き世離れ。「—した話」
せけん‐みず【世間見ず】
[名・形動]「世間(せけん)知らず」に同じ。「—な(の)お坊ちゃん」
せけんむすこかたぎ【世間子息気質】
浮世草子。5巻。江島其磧(えじまきせき)作。正徳5年(1715)刊。町人の息子の性癖や行動などを類型的に描いた15話からなる。気質物(かたぎもの)の最初の作品。
せけんむねさんよう【世間胸算用】
浮世草子。5巻。井原西鶴作。元禄5年(1692)刊。大みそかを背景に、町人たちの生活の悲喜劇を描いた20話からなる。町人物の代表作。