よ‐いち【世一】
世の中で最もすぐれていること。また、そのもの。当世第一。天下一。「いけずきといふ—の馬には乗ったりけり」〈平家・九〉
よ‐おぼえ【世覚え】
世の中の評判。「—やむごとなしと申せばをろかなりや」〈大鏡・基経〉
よ‐がたり【世語り】
世間話。また、世間の評判。「はかなき—などしつつ」〈鴎外訳・即興詩人〉
世(よ)が世(よ)ならば
その人に都合のよい時代であったならば。「—こんな家に住んでいなかった」
よ‐がら【世柄】
世の中のありさま。「—が直らないと云ったが」〈鉄腸・花間鶯〉
よ‐がわり【世変(わ)り】
世の中が変わること。時代が変わること。
世(よ)下(くだ)・る
1 後世になる。「—・りて後、唐土(もろこし)にも日の本にも」〈増鏡・新島守〉 2 末世(まっせ)になる。「今は—・りて、他の一寸のゆがみはとがめて、おのれが一尺のひがみは見えず」〈父の終焉日記〉
よ‐ごこち【世心地】
「世の中心地(ごこち)」に同じ。「—大事にわづらひ給ひければ」〈古本説話集・五二〉
よ‐ごころ【世心】
男女の間の情を解する心。異性を恋う心。「—つける女」〈伊勢・六三〉
よ‐ごも・る【世籠もる】
[動ラ四] 1 年が若く、将来性に富む。「少し—・りたる程にて、深山隠れには心苦しく見え給ふ人の御上を」〈源・総角〉 2 まだ世間を知らないでいる。「いまだ—・りておはしける時」〈大鏡・陽成〉