言(い)うべくもあら◦ず
言葉では言い尽くせない。「—◦ぬ綾織物に絵をかきて」〈竹取〉
言(い)うまでもな・い
あれこれ言う必要のないほどわかりきったことである。もちろんである。「漱石が明治の文豪であることは—・いことだ」
言(い)うもおろか
《「おろか」は、おろそか、不十分の意。後に「愚か」と意識された》言うまでもない。言うのもばかげている。
言(い)うも更(さら)なり
「言えば更なり」に同じ。
言(い)うも世(よ)の常(つね)
どう言っても世間並みな平凡なものになってしまい、うまく言い表せない。言えば世の常。「今はとて、おちいりけむ有様、心のうち、見る心地して、悲しきなど—なり」〈狭衣・二〉
ゆ・う【言う/云う/謂う】
[動ワ五(ハ四)]「い(言)う」の終止・連体形を「ユー」と発音するところから、「ゆ」が語幹と意識されてできた語形。終止・連体形以外で「ゆわない」「ゆった」などと言うこともあるが、本来の言い方ではない。