やえ‐す【八重簀】
湖沼や遠浅の内海などで、竹の簀を円形に立てまわして魚を捕らえる仕掛け。
やえ‐だたみ【八重畳】
[名]幾重にも敷物を敷くこと。また、その敷物。「ここに—を敷きて以てひいて入る」〈神代紀・下〉 [枕]幾重にも重ねる敷物の意で、重なりの意の「へ(重)」と同音を含む地名「平群(へぐり)」にか...
やえ‐なみ【八重波/八重浪】
幾重にも立つ波。「朝夕(あさよひ)に満ち来る潮の—になびく玉藻の節の間も惜しき命を」〈万・四二一一〉
やえ‐なり【八重生り】
1 1本の草木に実が重なってなること。また、その草木。 2 リョクトウの別名。
八重(やえ)の遠(おち)
ずっと遠く隔たった所。「思ふ人心へだてぬかひもなし桜の雲の—かた」〈夫木・一九〉
八重(やえ)の潮風(しおかぜ)
はるか遠方の海路を吹いてくる風。「しるべせよ跡なき浪に漕ぐ舟のゆくへも知らぬ—」〈新古今・恋一〉
八重(やえ)の潮路(しおじ)
非常に長い海路。八潮路(やしおじ)。「追風に—を行く舟のほのかにだにもあひみてしかな」〈新古今・恋一〉
八重(やえ)の山路(やまじ)
非常に長い山路。「限りあれば—をへだつとも心は空に通ふとを知れ」〈玉葉集・旅〉
やえ‐はたぐも【八重旗雲】
幾重にも旗のようになびいている雲。「八幡宮とあらはれ、—をしるべにて」〈謡・弓八幡〉
やえ‐ば【八重歯】
正常の歯列からずれて重なったように生える歯。犬歯によく起こる。鬼歯。