おおやけ‐づかい【公使ひ】
朝廷からの使い。勅使。「—来たりて付けたりし封を開きて」〈今昔・二・三三〉
おおやけ‐どころ【公所】
1 朝廷。官庁。また、宮中。「—に入りたちする男、家の子などは」〈枕・二六八〉 2 朝廷の所有地。官有地。「(宇治院ハ)—なれど、人もなく、心安きを」〈源・手習〉
公(おおやけ)に◦する
事実や意見を社会に知らせる。公表する。また、著書を世に出す。「当時の外交文書が初めて—◦された」
おおやけ‐の‐しせつ【公の施設】
地方公共団体が、住民の福祉を増進する目的で、住民の利用に供するために設置する施設。体育施設(運動場・体育館・プールなど)、教育文化施設(博物館・美術館・図書館など)、社会福祉施設(保育所・老人福...
おおやけ‐の‐わたくし【公の私】
1 公私いずれにも。「—貴き聞こえのありければ」〈発心集・五〉 2 公務の中に多少の私情の入ること。「さてもさても、—とかや申すことの候」〈謡・盛久〉
おおやけ‐はらだた・し【公腹立たし】
[形シク]自分に直接関係はないが、公の立場から見て腹立たしい。公憤・義憤を覚える。「あやなき—・しく、心一つに思ひあまることなど多かるを」〈源・帚木〉
おおやけ‐はらだ・つ【公腹立つ】
[動タ四]自分の利害からではなく、公の立場から腹を立てる。他人事ながら腹が立つ。義憤を覚える。「らうたげにうち歎きてゐたるを、見捨てて行きなどするは、あさましう—・ちて」〈枕・二六八〉
おおやけ‐ばら【公腹】
世の中全体の立場からみて腹が立つこと。公憤。「—とか、よからぬ人の言ふやうに、憎くこそ思う給へられしか」〈紫式部日記〉
おおやけ‐びと【公人】
朝廷に仕える人。官吏の類。大宮人(おおみやびと)。「中将などをば、すくすくしき—にしなしてむ」〈源・初音〉
おおやけ‐もの【公物】
朝廷・天皇の所有物。官有物。「私の領になり侍らむは便なきことなり。—にて候ふべきなり」〈大鏡・三条院〉