こう‐ふん【口吻】
口先(くちさき)。口もと。転じて、物の言い方。話し方。口ぶり。「不服そうな—」
こう‐べん【口弁/口辯】
口先のうまいこと。また、達者なもの言い。
こと‐の‐なぐさ【言の慰】
口先だけのなぐさめ。気休めの言葉。「我(あれ)のみそ君には恋ふるわが背子(せこ)が恋ふと言ふことは—そ」〈万・六五六〉
こと‐よ・し【言好し】
[形ク]口先がうまい。言葉巧みである。「かく—・くいみじきに、女はましてすかされたるにやあらむ」〈源・東屋〉
さじ‐さき【匙先】
さじの使い方。医者の薬の調合の仕方。「あの男等は—より口先が功者で」〈滑・浮世風呂・前〉
五月(さつき)の鯉(こい)の吹(ふ)き流(なが)し
《鯉幟(こいのぼり)は、口を大きくあけているが腹の中は空であるところから》心がさっぱりとしていてわだかまりのないこと。また、口先だけで胆力のないこと。
さん‐そんゆう【三損友】
《「論語」季氏から》つきあって損になる3種類の友人。人のきげんばかりとる者、こびへつらうだけで誠意のない者、口先がうまくて真心のない者のこと。損者三友。⇔三益友。
ざ‐ろん【座論】
座して議論すること。座上の論議。また、実行を伴わない口先だけの議論。
し‐が【歯牙】
1 歯と牙(きば)。また、歯。 2 言葉。口先。「暗殺攘夷の論は固(もと)より—に留るに足らず」〈福沢・文明論之概略〉
した‐さき【舌先】
1 舌の先端。 2 うわべばかりの物言い。弁舌。口先。「—ばかりで信用がおけない」 3 馬具の鐙(あぶみ)の、かかとの当たるほうの端。