たらちし【垂乳し】
[枕]「母」にかかる。語義・かかり方未詳。「—母に懐(むだ)かえ」〈万・三七九一〉
たらちし‐の【垂乳しの】
[枕]「母」にかかる。語義・かかり方未詳。「—母が目見ずておほほしく」〈万・八八七〉
たらちし‐や【垂乳しや】
[枕]「母」にかかる。語義・かかり方未詳。「—母が手離れ」〈万・八八六〉
たらちね【垂乳根】
《枕詞「たらちねの」から》 1 母。母親。「—の消えやらで待つ露の身を風より先にいかでとはまし」〈増鏡・新島守〉 2 親。両親。父母。「—はいかに哀れと思ふらむ三年になりぬ足たたずして」〈今鏡・...
たらちね‐の【垂乳根の】
[枕]「母」「親」にかかる。語義・かかり方未詳。「—母が問はさば風と申(まを)さむ」〈万・二三六四〉 「—親のいさめし転寝(うたたね)は」〈拾遺・恋四〉
たらち‐め【垂乳女】
《「垂乳根(たらちね)」からの類推で生じた語》生みの母。母親。「—や止まりて我を惜しまましかはるにかはる命なりせば」〈千載・哀傷〉
たり‐お【垂り尾】
長く垂れ下がっている尾。たれお。しだりお。「庭つ鳥鶏(かけ)の—の乱れ尾の長き心も思ほえぬかも」〈万・一四一三〉
たり‐くび【垂領/垂頸】
襟(えり)を肩から胸の左右に垂らし、引き合わせて着用すること。直垂(ひたたれ)・素襖(すおう)などの方領(ほうりょう)はこの形式。水干(すいかん)は盤領(まるえり)であるが、鎌倉時代のころから襟...
たり‐ほ【垂り穂】
稲・麦・粟(あわ)などの、実って垂れ下がっている穂。
た・る【垂る】
[動ラ四] 1 物の末端が下方へさがる。たれさがる。「あさましう高うのびらかに、先の方少し—・りて」〈源・末摘花〉 2 したたる。流れおちる。「父の命はたくづのの白ひげの上ゆ涙—・り嘆きのたば...