いち‐くら【肆/市座】
《「いちぐら」とも》奈良・平安時代、市で取引のために商品を並べた所。「市人、四(よも)より集ひて、自然に—をなせり」〈出雲国風土記〉
いち‐こ【市子/巫女/神巫】
1 神霊・生き霊(りょう)・死霊(しりょう)を呪文を唱えて招き寄せ、その意中を語ることを業とする女性。梓巫(あずさみこ)。巫女(みこ)。口寄(くちよ)せ。 2 神前に奉仕して、神楽(かぐら)を奉...
いち‐こ【市籠】
⇒いじこ
いち‐ざ【市座】
中世、市場に設けられた特権的な販売座席。領主に市座役(営業税)を納入し、その保護を受けた。戦国大名の楽市楽座政策により撤廃。
いち‐な【一名/市名/都名】
琵琶法師などがつけた名。名前の最後に一・市・都などの字がつく。特に、鎌倉末期の如一(にょいち)を祖とする平曲の流派は一名をつけるので、一方(いちかた)流と呼ばれた。のち、広く一般の盲人も用いた。
市(いち)に帰(き)するが如(ごと)し
《「孟子」梁恵王下から》仁者のもとに人が慕い集まることをいう。
市(いち)に虎(とら)あり
《三人までが市に虎がいると言えば事実でなくても信じられるようになるという「戦国策」魏策の故事から》事実無根の風説も、言う人が多ければ、ついに信じられるようになることのたとえ。三人市虎(しこ)をなす。
市(いち)に虎(とら)を放(はな)つ
人の大勢集まる市に虎を放つ。非常に危険なことのたとえ。
いち‐の‐かみ【市正】
律令制の市司(いちのつかさ)の長官。東西に各一人。
いち‐の‐しょうにん【市の上人】
⇒市の聖(ひじり)