しのび‐こ・む【忍び籠む】
[動マ下二]深く包み隠す。「今まで—・められたりけるをなむ、かへりて後めたき心なりと思ひぬる」〈源・薄雲〉
しのび‐こ・む【忍び込む】
[動マ五(四)]こっそりと人目につかないようにして中に入る。忍び入る。「部屋に—・む」
しのび‐ごえ【忍び声】
他人に聞こえないようにひそひそ話す声。しのびね。
しのび‐ごと【忍び事】
他人に知られないようにする事柄。隠しごと。内緒ごと。「かかる御—により、山里の御歩(あり)きもゆくりかに思したつなりけり」〈源・総角〉
しのび‐ごと【忍び言】
ひそひそ話。内緒話。さざめごと。「ありつる—どもの、御耳とまりつるや交りたりつらむ」〈狭衣・四〉
しのび‐ごま【忍び駒】
三味線の駒の一種。脚の部分が長く、その両端を胴のふちにかけて用いる。弦の振動が胴皮に伝わらないので弱音になる。
しのび‐さんじゅう【忍び三重】
歌舞伎下座音楽の一。三味線のみで演奏する効果音楽で、暗やみでの静かな探り合いの場面などに用いる。ひぐらし三重。
しのび‐しのび【忍び忍び】
[副]人目を忍んで。「—帝の御妻(みめ)をさへあやまち給ひて」〈源・須磨〉
しのび‐じ【忍び路】
人目に触れないように隠れ忍んで行くこと。また、その道。「—を雲ゐのよそにめぐらして」〈謡・蝉丸〉
しのび‐ずきん【忍び頭巾】
忍び歩きのときかぶる頭巾。特に、遊里に通うときかぶる頭巾。