いつく・し【厳し/美し/慈し】
[形シク]《「稜威(いつ)奇(く)し」の意という》 1 神や天皇または貴人の威力が強く激しいさま。いかめしくおごそかである。「そらみつ大和の国は皇神(すめがみ)の—・しき国」〈万・八九四〉 2 ...
いつくしみ【慈しみ】
いつくしむこと。恵み。慈愛。「母の深い—」
いつくし・む【慈しむ/愛しむ】
[動マ五(四)]目下の者や弱い者に愛情を注ぐ。かわいがって大事にする。「わが子を—・む」 [補説]平安時代の「うつくしむ」が、「いつ(斎)く」への連想などの結果、語形が変化し、中世末ごろ生じた語...
うつくし・ぶ【慈しぶ/愛しぶ】
[動バ上二]「うつくしむ」に同じ。「八つ九つばかりにて、声いとおもしろく、笙(さう)の笛吹きなどするを、—・び、もてあそび給ふ」〈源・賢木〉
うつくし・む【慈しむ/愛しむ】
[動マ四]かわいがる。いつくしむ。大切にする。うつくしぶ。「憎げなる稚児(ちご)を、己(おの)が心地の愛(かな)しきままに、—・み、愛しがり」〈枕・九六〉
くわい【慈姑】
1 オモダカ科の多年草。泥中に茎の基部から四方に地中枝を出し、その先に、球形で先にくちばし状の芽をもつ淡藍色の塊茎を生じる。葉は大きく、矢じり形。秋、白い花を輪生する。塊茎は食用。中国の原産で、...
くわい‐あたま【慈姑頭】
《クワイの芽が出た形に似ているところから》江戸時代、町医者などが結った髪形の一。総髪を後頭部で束ね、先を短く垂れ下げたもの。
じ【慈】
[常用漢字] [音]ジ(呉) [訓]いつくしむ 1 いつくしむ。情けをかける。恵み深い。「慈愛・慈雨・慈善・慈悲・慈母/仁慈・大慈」 2 母のこと。「家慈」 [名のり]しげ・しげる・ちか・なり・...
じ‐あい【慈愛】
親が子供をいつくしみ、かわいがるような、深い愛情。「—に満ちる」
じ‐いく【慈育】
いつくしみ育てること。