うち‐あわび【打ち鮑】
アワビの肉を細長く切り、打ち延ばして干したもの。祝儀のときの酒の肴(さかな)にした。のしあわび。
うち‐あん・ず【打ち案ず】
[動サ変]思いを巡らす。思案する。「義時、とばかり(=少シノ間)—・じて」〈増鏡・新島守〉
うち‐い・う【打ち言ふ】
[動ハ四]なにげなく言う。ふと口にする。「めでたのことや、とぞ心にもあらで—・はれける」〈かげろふ・下〉
うち‐い・ず【打ち出づ】
[動ダ下二] 1 広々とした所に出る。「田子(たご)の浦ゆ—・でて見ればま白にそ富士の高嶺に雪は降りける」〈万・三一八〉 2 さっと出る。「谷風にとくる氷のひまごとに—・づる波や春の初花」〈古今...
うち‐いた【打(ち)板】
1 廊下と廊下の間に橋のように渡す歩み板。 2 牛車(ぎっしゃ)に乗り降りするときに、簀(す)の子の板敷きから車に渡す板。 3 鷹匠(たかじょう)が鷹の糞(ふん)を受けるのに用いる板。 4 地面...
うち‐いだ・す【打ち出だす】
[動サ四] 1 出す。特に、出衣(いだしぎぬ)をする。「衣の褄(つま)重なりて—・したるは」〈栄花・わかばえ〉 2 口に出して言う。言い出す。「露は別れの涙なるべし、といふことを頭の中将の—・し...
うち‐いで【打ち出で】
1 金属を打ち延ばし物を作り出すこと。また、作り出した物。「薄(はく)打ち。南鐐(なんれう)にて—悪き」〈七十一番職人歌合〉 2 「打ち出での衣(きぬ)」の略。
うちいで‐の‐きぬ【打ち出での衣】
「出衣(いだしぎぬ)2」に同じ。
うちいで‐の‐たち【打ち出での太刀】
金銀を打ち延ばして柄(つか)や鞘(さや)などを飾った太刀。一説に、新しく鍛え作った太刀とも。うちでのたち。「枕上に—置きたり」〈今昔・二五・四〉
うち‐いと【打(ち)糸】
篦(へら)でたたいて固く組んである組紐(くみひも)。