ひと‐ごと【人言/他人言】
1 他人のいう言葉。「—の頼みがたさはなにはなる蘆の裏葉のうらみつべしな」〈後撰・恋五〉 2 人のうわさ。世間の評判。「この世には—繁し来む世にも逢はむ我が背子(せこ)今ならずとも」〈万・五四一〉
ひと‐やり【人遣り】
1 自分からでなく、他から強いられてすること。「行き憂しと思ひながらも—の道にはさこそとまらざりけめ」〈新千載・離別〉 2 人を行かせるようにすること。「月影はまだ夜深しとやすらへばはや—の鳥は...
ひとり‐ばみ【一人食み】
1 一人だけで食うこと。〈新撰字鏡〉 2 他の助けを借りずに、一人で事をすること。転じて、独立して生計を立てること。独り立ちすること。「そもそもの水揚げより—させける白銀大臣の思ひ付き」〈浮・敗...
ひねり‐がさね【捻り重ね】
生絹(すずし)の単(ひとえ)を何枚も重ね、袖口の少し奥でとじ重ねて着ること。また、その着物。「世を安み民のわづらひかへりみて—は着る人もなし」〈新撰六帖・五〉
ひふりゃく【秘府略】
平安初期の類書。1000巻。864・868巻の2巻のみ現存。淳和天皇の勅により、天長8年(831)滋野貞主(しげののさだぬし)が撰。引用書は約1500種に及ぶ、日本最古の百科事典。
ひゃくにん‐いっしゅ【百人一首】
100人の歌人の歌を1首ずつ選んで集めたもの。藤原定家の撰といわれる「小倉百人一首」が歌ガルタとしてよく用いられている。また、それに倣った種々のものがある。ひゃくにんしゅ。ひゃくにんし。→小倉百...
びゃっこつうぎ【白虎通義】
中国、後漢の儒学書。4巻。班固撰。後漢の章帝が宮中の白虎観に諸学者を集め、五経の解釈の異同を討議させた結果を記録編集したもの。白虎通。
ふうがわかしゅう【風雅和歌集】
室町前期の勅撰和歌集。20巻。花園院監修、光厳院撰。正平4=貞和5年(1349)ごろ成立。京極派の流れをくむ撰集で、歌数2200余首。風雅集。
ふうようわかしゅう【風葉和歌集】
鎌倉中期の歌集。20巻。現存本は末尾2巻を欠く。藤原為家撰か。後嵯峨院中宮姞子(よしこ)の命により、文永8年(1271)成立。平安時代から鎌倉初期までの作り物語の中から、和歌約1400首(現存本...
ふき‐し・く【吹き頻く】
[動カ四]「ふきしきる」に同じ。「白露に風の—・く秋の野はつらぬきとめぬ玉ぞ散りける」〈後撰・秋中〉