ドラムクリフ【Drumcliffe】
アイルランド北西部の都市スライゴーの北方約8キロメートルに位置する村。教会墓地には円塔やハイクロス(ケルト十字)が残る。また、アイルランド文芸復興運動に貢献した詩人イェーツの墓地があることで知られる。
どろのかわ【泥の河】
宮本輝の小説。昭和30年代の大阪の、二つの川が合流し安治川となる地域を舞台に、少年信雄と周囲の人々の関わりを描く。「文芸展望」誌の昭和52年(1977)7月号に発表。第13回太宰治賞を受賞。「蛍...
ないこう‐の‐せだい【内向の世代】
昭和45年(1970)前後に登場した若手作家の呼称。古井由吉(よしきち)・黒井千次・小川国夫など。文芸評論家の小田切秀雄が命名。個人の内面を描く作風を批判的な意味合いで呼んだもの。
ないざい‐ひひょう【内在批評】
1 ある学説・思想などを、その前提となるものを一応認めたうえで、それに即して批評すること。 2 文芸批評の一。個々の文学作品を、その形式・技巧や主題の性質に関して批評すること。⇔外在批評。
なおこ【菜穂子】
堀辰雄による唯一の長編小説。昭和9年(1934)から昭和16年(1941)にかけて「物語の女」(のちの「楡の家」第1部)、「目覚め」(同第2部)、「菜穂子」の3部を異なる三つの文芸誌に発表。部分...
ながいじかんをかけたにんげんのけいけん【長い時間をかけた人間の経験】
林京子の小説。戦後55年を機に被爆者の思いを胸に遍路へ向かう年老いた「私」を描く。平成12年(2000)刊行。同年、第53回野間文芸賞受賞。
ながくつじま【長靴島】
井上光晴の小説。昭和28年(1953)6月、文芸誌「新日本文学」に発表。太平洋戦争前夜の九州を舞台に、海底炭鉱で働く朝鮮人炭鉱夫たちを描く。
ながれのほとり【流れのほとり】
神沢利子の文、瀬川康男の挿絵による児童文学作品。幼少期を樺太(からふと)で過ごした著者の体験をもとに書かれた。昭和51年(1976)刊行。昭和52年(1977)、日本児童文芸家協会賞受賞。
なくとりの【啼く鳥の】
大庭みな子の小説。昭和60年(1985)刊行。翌年、第39回野間文芸賞受賞。
なにもしてない
笙野頼子の中編小説。平成3年(1991)「群像」誌に掲載。引きこもりのような生活を送る女性のモノローグという体裁をとる。第13回野間文芸新人賞受賞。