こちょう【胡蝶/蝴蝶】
源氏物語第24帖の巻の名。貴公子たちが求愛する玉鬘(たまかずら)に養父源氏までが懸想するさまを描く。 「胡蝶楽」の略。 謡曲。三番目物。観世・宝生・金剛流。旅僧が梅を見ていると、胡蝶の精が...
こんにゃく‐もんどう【蒟蒻問答】
《にわか住職になったこんにゃく屋の主人が旅僧に禅問答をしかけられ、口もきけず耳も聞こえないふりをしていると、旅僧は無言の行(ぎょう)ととりちがえ、敬服するという筋の落語の題名から》とんちんかんな...
じぞうまい【地蔵舞】
狂言。宿の亭主に宿泊を断られた旅僧が、笠を預けてその下に潜り、笠に宿を借りるという。亭主も気に入って酒をふるまうと、僧は地蔵舞をまう。
たつた【竜田】
奈良県生駒郡斑鳩(いかるが)町の地名。三郷(さんごう)町の竜田大社から勧請(かんじょう)したといわれる竜田神社がある。 謡曲。四番目物。旅僧が大和国三郷の竜田明神に参拝すると、竜田姫の霊が現...
たむら【田村】
謡曲。二番目物。今昔物語などに取材。旅僧が清水寺に参詣すると、坂上田村麻呂の霊が現れて寺の縁起と軍功を語る。
つうえん【通円】
茶人。京都の人。もと宇治の農民で、宇治橋の東詰に茶店を出したといわれる。古川通円と自称し、代々その名を継いだとされる。狂言の主人公として有名。生没年未詳。 狂言。舞狂言。旅僧の前に通円という...
とうぼく【東北】
謡曲。三番目物。旅僧が都の東北院で梅を眺めていると、昔この梅を植えてめでていた和泉式部の霊が現れ、当時のようすを語る。
とおる【融】
謡曲。五番目物。世阿弥作。伊勢物語・古今集などに取材。旅僧が六条河原院を訪れると、左大臣源融(みなもとのとおる)の霊が現れ、栄華の昔を語る。
どうじょうじ‐もの【道成寺物】
歌舞伎・浄瑠璃の一系統。愛を誓った旅僧安珍に裏切られた清姫が、憤怒のあまり蛇体となってあとを追い、道成寺の鐘の中に隠れた安珍を、鐘ごと焼き尽くしたという道成寺伝説に取材したもの。歌舞伎舞踊では、...
ぬえ【鵺】
謡曲。五番目物。世阿弥作。平家物語などに取材。旅僧の前に鵺の亡霊が現れ、源頼政の矢に射殺されたときのありさまを語る。