い‐ながら【居乍ら】
[副] 1 (「いながらに」「いながらにして」の形で)その場にじっとしていて。その場を動かないで。「—にして世界の情勢を知る」 2 座ったままで。その場で。即座に。「—眠り入りたりける夢に」〈今...
いなずまびょうし【稲妻表紙】
読本。5巻6冊。山東京伝著。歌川豊国画。文化3年(1806)刊。近松門左衛門の「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)」などの不破伴左衛門と名古屋山三郎の物語をからませ、敵討ちを中心にしたお家騒動物...
いな・ぶ【否ぶ/辞ぶ】
《感動詞「いな」の動詞化》 [動バ上二]断る。否定する。辞退する。いなむ。「人のいふことは強うも—・びぬ御心にて」〈源・末摘花〉
[動バ四]
に同じ。「蔵人、定めて一切は—・ばむずらんと思ひ...
いにし‐え【古】
《「往(い)にし方(へ)」の意》 1 過ぎ去った古い時代。過ぎ去った月日。昔。過去。「—の都の姿をとどめる」 2 亡くなった人。故人。「—の御許しもなかりし事を」〈源・宿木〉
いにしえ‐びと【古人】
1 昔の世の人。古人(こじん)。「—の心なほく、詞みやびやかに」〈歌意考〉 2 前に親しくしていた人。昔なじみ。旧知。「眉根(まよね)掻き下いふかしみ思へるに—をあひ見つるかも」〈万・二六一四〉
いにしえ‐ぶり【古振り/古風】
昔の風習・様式。昔風なやり方。「—の物まなびなどすると見えて」〈滑・浮世風呂・三〉
いぬ【犬/狗】
[名] 1 食肉目イヌ科の哺乳類。嗅覚・聴覚が鋭く、古くから猟犬・番犬・牧畜犬などとして家畜化。多くの品種がつくられ、大きさや体形、毛色などはさまざま。警察犬・軍用犬・盲導犬・競走犬・愛玩犬な...
いぬ‐ばこ【犬箱】
犬が伏した形に作った、雌雄で一対の小箱。昔、安産や子供の健康を祈るまじないに用いられた。犬張り子の源流といわれる。御伽(おとぎ)犬。
いぬ‐まき【犬槙】
マキ科の常緑高木。関東以南の山地に自生し、高さは約25メートルに達する。葉は扁平な線形または披針(ひしん)形で、密に互生。雌雄異株。庭園に植栽し、材は建築材などにする。名は、昔、杉をマキとよんだ...
いぬ‐やま【犬山】
山野で、飼いならした犬を使ってする狩り。「この人—といふ事をして…山に入りて猪鹿を犬に噉(く)ひ殺さしめて」〈今昔・二六・七〉